赤野ではなく、剣に映り込んだ私と目が合う。 「こ、壊されるッ」 「このままじゃマズイわッ!」 もう一度剣を振り下ろされたり体当たりでもされたら、扉は壊されてしまう。 甲冑が立ち去るまで耐えるという選択肢は強制的に無くなってしまった。 どこか……どこかに隠れないと。 部屋を見回す。 先ほどと何も変わらない甘い香りの部屋。 甲冑が扉の木片を落としながら大きな剣を引き抜いた。 もう時間は無い。