赤野の手首を掴んだまま、右側の部屋に飛び込んだ。 押し開けた茶色い扉を閉めて調理室の時と同じ様に、背中に全体重を掛けて踵に力を込めた。 ドンッ……ドンッ…… やはり甲冑は扉に体当たりをしてきた。 体当たりをしてくる度に私と赤野の体が一瞬扉を離れ、前に押されてしまう。 「くっ……」 「頑張ってッ」 奥歯を噛み締めて、早く立ち去ってくれと願いながら開けられない様に扉を抑える。 ドンッ……ドンッ…… 扉にぶつかる背中と体を支える踵が、じんじんと傷んできた。