「食べちゃダメよッ!!」
私の声は塚本に届かず、彼はテーブルに駆け寄ると立ったままフォークを掴み、分厚いフィレステーキに突き立てると、一口でそれを頬張った。
フォークを持つ塚本の腕を掴んだのだが、物凄い力に勝つ事ができず、私は呆れて腕を掴んでいた手を放してしまった。
「あ〜ぁ。食べちゃったよ……」
眉を寄せ、赤野は汚い物を見る様な目で、食い散らかす塚本を遠くから眺めていた。
「毒が盛られているかもしれないのよッ!?」
「こんなに美味しい物に毒なんて入ってる訳ないじゃないですか!」
塚本は私の言葉など気にせず、ステーキを突き刺していたフォークにカルボナーラを巻き付けていた。
「折笠さんも食べますか?」
差し出されたフォークに驚きながらも首を振ると、塚本は大きなカルボナーラの塊を口に含んだ。



