3人は別々の本棚の前に立つ。

入り口から見て、手前の本棚を赤野が、中央を塚本が、1番奥を私が調べる事になった。

部屋には四角い机の両側に3つずつ、合計6つの本棚があり、見た所私が調べた2つの本棚には変わった様子は見られなかった。

どこかに何かのスイッチが隠れていないか、一つ一つ背表紙を指先で押して行くが、どの本も動く気配は無かった。

「こっちに特に変わった所は無かったわ」

「俺の方もめぼしい物は……」

私の声に反応して背後の本棚の向こう側から塚本の声が返ってくる。

「こっちも……あッ」

赤野が何かを発見したようだ。

私と塚本は赤野が調べている本棚に集まる。