香水を元に戻そうと手に取ると、違和感を覚え、香水を顔の高さまで持ち上げて観察する。

すると白い半透明の紙のような異物が香水の中に浮遊していた。

最初は古くなって、成分が浮遊しているのかと思ったが、大き目の浮遊物に集中して観察すると、繊維の様な線が表面に見えた。

どうやら植物が浸かっているようだ。

「……これ、きっと毒だわ」

二人が見えるように、毒薬が入っていると思われる香水の丸いビンを突き出す。

「毒ッ!?」

驚いた塚本は持っていた分厚い本を落としてしまった。

偶然にも落ちた衝撃で、先ほど私が読んだスズランのページが開かれた。

私は見開きになった分厚い本を指差しす。