コトン……

何か小さなものが床に落ちる音がした。

「あら?」

紙の束を机の上に置いて床を見下ろすと、足元にピンクのリボンが結ばれたカギが落ちていた。

【可愛らしいカギを手に入れた】

どうやら紙の束に挟まっていたらしい。

「もしかしたら、さっきの開かなかった扉のカギかもしれないわ」

拾い上げたカギを赤野と塚本に見せる。

「さっそく試しに行こう」

「その開かない部屋はどこに?」

部屋の出口である扉に向かう赤野を見つめ、首を傾げた塚本が私の目を見た。

「向かいの部屋よ」

私たちは、勉強部屋を出た。