男は私の隣に来た赤野と私の顔を交互に見つめた。 どうやら驚いて目を丸くしている男が谷原の言っていた先輩の塚本のようだ。 谷原から塚本の特徴を聞いておくべきだったと後悔した。 「貴方の後輩の谷原さんから聞いたの」 「谷原に会ったのかッ!?」 塚本は腹の肉を揺らしながら勢い良く立ち上がり、すがる様に私の両肩を掴んだ。 「し、下の階で一緒だったわ……」 「“だった”って……じゃぁ谷原は……」 「殺されてしまったの……」 助けられなかった悔しさで下唇を噛んだ。