キンコンカンコン…キンコンカンコン…

遠くにチャイムの
音を聞いて、私は今
屋上にいる
親友の有紗と一緒に

「そっかぁ…。
奈々が決めた事なら
私は応援するよ」

『ありがとう』

出た結論を有紗に話した

「今日、二人には
伝えるの?」

『うん。
上手く…言えるかな?』

「下手に作った言葉を
言うより、その時
思った事を言う方が
伝わると思う」

『……ねぇ、有紗?』

「何?」

『私ってさ、最低かな?』

有紗は驚いて
奈々の顔を見た

「何言ってんの!?」

『だって……』

「誰も奈々を
最低だなんて
思ったりしないよ!」

有紗の少し怒った顔に
勇気をもらった

『ありがとう』

穏やかな顔で礼を
言った奈々に、
見とれてしまった

さすが、男が
夢中になるだけある