「好きです!!
付き合ってください」

今日も呼び出され
告白される

告白してきた男の顔を
私、加藤奈々は
まじまじと観察していた

『ん~~…
ごめんっ!顔が
タイプじゃない』

笑って手を振って
去って行く好きな女を
ポカンと後ろから男は
口を開けて
つっ立っていた

あ~ぁ!
なんで微妙な男ばっか
釣れちゃうんだろー

ポケットから
携帯を取り出して、
友達の有紗に電話した

《はい?》

『あー有紗?
聞いてよ~
また微妙だったんだよ』

《えぇ~それ
本当かなぁ~?
学校の仔だった
んでしょ?名前は?》

『なんだったかな‥
井上??』

《‥‥普通に
かっこいいじゃん。》

『だってさ~なんか
必死でキモかった(笑)』

《告白してるんだから
当たり前でしょっ!!》

『嫌だ~もっと……』

《あぁ~聞きたくない!
聞き飽きた!!
てゆーか絶対
そんな人いないよ》

『いるのっ!
もういいっ!!』

ピッ!

乱暴にボタンを押して
携帯をポケットに
勢い良くしまった

何よ!絶~対
私の理想の人が
どこかにいるんだからっ

小さい頃、
お姫様の物語を読んで
凄く感動したんだ
私もいつか…って
昔誓ったの
今でも信じてるなんて
バカかな?王子様は
絶対現れる、なんて……