「弥生が遅い...。」
どうしても嫌な予感がするの。
隣の部屋に行った。
「ねぇ、聡ー。」
「あ?」
抱きついた。
「んだよ。」
「弥生はー?」
「まだ帰ってねぇの?」
「うん...。嫌な予感がするの。だから一緒に探しに行ってくれない?」
「あぁ?一人で行けよ。」
「ケチ!あたし夜怖いんだからね!本当なんだからね!」
「夜が怖い?」
「前までは普通だったよー。」
「仕方ねぇなぁ。」
ガチャっ
「どっか行くのぉ?」
「人探しに行ってくるであります!」
「気をつけて行ってくるでありますよ!」
「気をつけて行ってくるであります!」
二人で寮を出た。
「...。」
手が震える。どうしてだろう。
「アハハッ...。怖いや。」
「俺一人で行ってくるぞ?お前待っててもいいんだぞ?」
「いい。」
歩き始めると聡が手を握ってくれた。
「お前の手、温かい。」
「聡の手は冷たい。」
「だろ?」
「手が冷たい人ってね?心が温かいんだよ。だからあたしは聡がだーい好き。」
「お前は手が温かいけど心も温かい。」
「あたしは、汚れてるわ?」
弥生が倒れていた。
「「弥生っ!!」」 
弥生の所に寄った。
「ナイフっ?羽瑠姫、どうすんだよ?!」
「救急車じゃ、遅いっ!」
プルルっ
「今すぐに1台車で桜木公園に来てくれ!今すぐだ!一分以内!」
『何か分かんないけど、今すぐ行きます!』
電話を切って応急処置だけした。
「っ...。」
「弥生っ!大丈夫か?!」
車が来て聡と弥生を車の中に運んだ。
「病院に行け。」
「はいっ!」
病院についた。

今は手術室の前だ。
バタバタッ
「羽瑠姫っ!」
誠達が来た。
「誠、今日は弥生と一緒に帰るって言ってたじゃねえかよ!」
「弥生が先に帰れって言ったんですよ!」
「それでも「こんな所で揉めてんじゃねぇよ。ここは病院だ。」
「...なんで冷静でいられる。」
「誠、お前は副総長だろ。冷静でいなきゃ仲間に指示は出せない。お前ら幹部だろ。こうゆうときに副総長を冷静な判断で支えなきゃいけないだろ。」
「...。」
「四鬼だろうな。」
「四鬼?」
「最近卑怯な手を使って青龍を狙ってる。ほしいのは全国だろう。それで総長である弥生は誠を逃がした。」
「そして、刺された...。」
「あぁ。あんまり自分を責めるなよ?」
「でも、俺のせいじゃねぇか...。」
「弥生はそれを望んでいるのか。」
「...。」
手術室はあいた。
「弥生は?」
「お前の応急処置で助かったようなもんだ。」
「あたしは何もしてない。」
「嘘つけ。で?弥生はどうも、元々体が弱いようで?喘息持ち。」
「はい。」
藤田さな。この人はたっちゃん時代の青龍幹部さん。
「喘息だけじゃねぇ。だろ?」
「はい。まぁ。」
「まぁ、喧嘩しないわけにはいかねぇ。アイツの立場があるんだろうがな。愛する女を守るのは男の役目だし。」
「ねぇ、手術とかないの?」
「あ?あるぞ。その手術をしたら喘息以外は治る。アイツに相談してるんだけど断るんだよ。怖い、とかなんとか。」
「...初めてだから?」
「あぁ。まぁ、やらなかったらお前らとは5年も生きられない。」
「そんなに?」
「親父さんにも言って説得しておいてもらおうとしたんだが、どれだけ親父さんが言ってもアイツ、聞く耳持たなかったしなぁ。」
「あたしが、どうにかする。」
「よろしく。」
「多分、パパさんは一ヶ月後まで関西にいてるから、メールしておいてくれる?心配しなくてもあたしが面倒見るから、ってね。」
「了解。」
病室に行くと酸素マスクをされて眠っている弥生がいた。
「個室だね。」
「ですね...。」
「顔立ちが綺麗。だからこそ、苦しむのね。」
1週間後
ブー、ブー、
「はい。」
『弥生が目を覚ました。』
皆を連れて病院に行った。
「やっよいーー!!!」
聖夜が弥生に抱きついた。
「おいおい、男に抱きつかれたくねぇよ。俺にそんな趣味ねぇしな!」
「誰がいいのぉ?」
「羽瑠姫、おいで。」
手を広げてくれた。
「嫌だ。」
「1番泣きそうな顔してるぞ。早くおいで?」 
抱きついた。ギュッて抱き締めてくれた。
涙が出た。
「羽瑠姫ちゃん、弥生が目を覚まさないこの1週間ずっと寝ていないのです。毎日病院に来るようにしてましたしね。」
「や、よいっ、あたし、怖かったっ...。弥生が死んじゃうかもって...。」
「勝手に殺してんじゃねぇよ。俺が羽瑠姫を守らなきゃ羽瑠姫を守る奴いなくなるだろ?」
「俺達だって守るんだから!」
「羽瑠姫くらいなら俺達二人で守れる。」
「羽瑠姫は俺がいいよなぁ?」
「何その話題。」
「ハイハイ。泣き止んだ?」
「ん。」
「よしよし。で?副総長、青龍は?」
「情けないですが華に助けてもらいました。俺が自分を責めてる時弥生はそれを望んでいるか。って。」
「うちの華は...。」
「で、弥生を刺したのは、四鬼で間違ってない?」
「あぁ。潰したのか?」
「はい。俺達の力じゃどうしょうもないくらいに青龍の下っ端がキレて、羽瑠姫さんが指示を出してくれました。」
「そうか。頑張ってくれたな。」
首を振った。
「ありがとな。」
ブー、ブー、
「はい。」
『羽瑠姫ぃ?』
「誰ですか。」
『お前の憧れの人だよぉ。ハハッ』
「憧れ...?」
『俺は――、――だよぉ。』
「てめぇ、ざけんじゃねぇ!」
『早く、戻っておいでね?』
「っ...。」
電話は切られた。
「弥生、また来るね。用事が出来た。」
バシッと腕を掴まれた。
「弥生?」
「無理、すんなよ。」
「皆がいる限り無理はしてるつもりないよ?」
「そうか...。」
病室をでた。
「寒っ...。」
家に帰った。
「ただいま。」
「おかえり。寒かったろ?迎えに行くっつったのに。」
「いい。」
パパに抱きついた。
「こうしたら、温かい。」
夜になって病院に行った。
「あ、羽瑠姫。」
「弥生、手繋いで。」
「ん?」
手を握ってくれた。
「ヘヘッ、温かいから。」
「ん。」
「弥生はどうして手術をしないの?」
弥生の手が震えだした。
「さなさんに、聞いた?」
「どうしてあたしに言ってくれなかったの?あたしは頼りない?」
「俺がそんな病気だって知ったらお前、俺に喧嘩させてくれねぇだろ?」
「分からない。」
「怖いんだ。ずっとずっと。」
ドアの鍵を閉めて服を脱いだ。
弥生の手をあたしの胸においた。
「は、羽瑠姫?」
「あたしのココは温かい?」
「...冷たい。」
「あたしの心は冷めちゃってるの。見て?」
お腹を指差した。
「これね、手術をした時の跡。」
制服を着た。
「名前のない病気でさ。気がついた頃には腫瘍が大きくなって取り出せないって言われて、余命一ヶ月って言われたわ?」
「でも、お前は生きてんだろ。」
「ええ。手術して取り出してくれた。手術は先生の腕もあるけど自分の力の問題だと思うわ?」
「俺、今のままだと5年も生きられない。」
「ねぇ、手術してよ。5年先もずっとずっと側にいて。」
「プロポーズ?」
「心は少し弥生に傾いてる。」
「まじで?!...ってぇ...。」
「もう、無理しないで!とにかく!側にいてよね!帰る!また、ね!」
次の日
ブー、ブー、
「ん...。」
『今日は来てくれねぇのー?』
「熱、出てきた。」
『あ?!』
「風邪引いたの。さなさんがさっき来てくれたから...。」
『何度?』
「38度ぉ!」
『何してたんだよ?』
「昨日、寒いなぁって思ったらそうだったの!」
『俺は今日も平熱。』
「馬鹿は風引かないの。」
『うっせ。で?一人で大丈夫か?』
「うん...。大丈夫。」
『じゃあ、気を付けろよ?』
「クスッ、何を?」
『最近、物騒だからな。』
「ん。分かった。」
電話を切った。
外に出た。
「あたしが、やらなきゃ。」
月下燦々に来た。
「やっと、戦える。」
「闇討ちをしたのはお前達だ。」
「あぁ。」

全員倒した。
あたしはフラフラだ。もう。
寮に戻った。
ガチャっ
「羽瑠姫、どこ行ってた?」
「どうして弥生が...。」
「退院。また、何かあったら行かなきゃだけどな。」
「弥生っ...。」
「お前はどこ行ってたんだよ。」
「月下燦々、倒してきた。」
「熱は?」
熱を計った。
「39度。」
「早く寝ろ。」
「嫌だっ、一人なんて嫌だっ。」
何言ってるのか分からない。
「俺が側にいてやるから。まぁ、先に病院つれて来いって言ってたから行こう?」
タクシーを拾ってくれて連れて来てくれた。
「お前、さっきから思ってたけど、最近少し太ったかな、って思ったらまた、断食したろ!痩せやがって!注射がいいのか?あ?」
「だって、あたしだって女の子だよ?太ったのなんて嫌だ。」
「注射決まりな?」
「嫌だしっ!」
弥生が頭を撫でてくれて落ち着いて眠った。
~弥生~
羽瑠姫は俺の隣で栄養剤いれてもらってる。
「こいつ、身長160あるくせに50㎏なくってさ。つい最近40㎏になったんだ。飯食うようになったかと思えば...。」
「理由、あるんですよね?」
「まぁ、アイツに聞けばいいさ。今のお前達になら教えてくれる。」
「ハイ...。」