「っつー事で貸し切りだからこのクラス全員で羽瑠姫さんと旅に出てこい!明日休みだからな。仲間で行ってこいよ。」
とか言うことで次の日。
「ねぇ、」 
クラスメイトの春樹君にこえかけた。
隣にいたし乗り順も隣りだし。
青龍の一員。
「はい?」
「これ...何?」
「総長...じゃなくて弥生さん、羽瑠姫さんが怪我してます!」
「あぁ?」
「あたし、怪我してないよ?」
「頭打ったんですよね?」
「もういい!ねぇ、弥生、これ何?」
「...分かんねぇか?」
「うん。」
なにかね、長いの。 
あたしの車より長いの。
「...電車って言うんです。」
「電車?」
「乗りますよ。」
乗って春樹君の隣に座った。
「春樹君とあたしの共通点みーっけ。」
「?」
「あたしの名前も『はるき』で春樹君の名前も『はるき。』ヘヘッ、」
「本当だ...。今気づきました。」
「ヘヘッ、春樹君、はい。」
腕につけてあげた。
「俺のやつ...。」
「昨日、倉庫に落ちてたよ?」
「昨日は総長がキレてたんです。」
「え?」
「羽瑠姫さん、昨日他の族の男と一緒にいたらしいっすね。」
「ねぇ、あたしが他の男の子と一緒にいたらどうして弥生や聖夜や聖斗は怒るの?」
「俺らが羽瑠姫さんを思ってる以上に羽瑠姫さんが大切なんっす。」
「?」
「羽瑠姫さんが目が入るところにいないとダメなんっすよ。」
「んー...よく分からないけど分かった。」
「...羽瑠姫さんは?愛してる男とかいないんっすか?」
「禁句ー。」
「ごめんなさい。でも、気になるっす。」
「えぇ?」
「俺、総長大好きっす。憧れっす。」
「愛してる...。んー、分かんないけどあたし青龍皆好きだよ?」
「...。」
「皆を傷つけないで済むならあたしは皆から離れる。」
「俺もその中に入ってますか?」
「入ってるよ?春樹君はあたしの青龍でできた初めての友達。」 
「俺、喧嘩弱いっす。つか、喧嘩ができないんっす。それでも街の中で一人歩いてたら総長達が連れて行ってくれて仲間ができたっす。嬉しかったっす。親にも捨てられたんっすよ。それで総長と同じクラスで。もう、嬉しいっす。」
「うん。」
「俺は初め’華’って存在ができるって知った時総長の所に行ったっす。俺、そうゆうの反対派で。それに総長は女遊びしちまうっす。もう、女遊びしてる総長が嫌だったっす。」
「うん。」
「今はもちろん羽瑠姫さんを認めてるっす。青龍全員。ただ、羽瑠姫さんを巡った抗戦が増えそうになっちゃったらどうしよう、って。」
「うん。」
「そんな考えを他所に羽瑠姫さんは喧嘩ができて強いッス。だから、安心してるっす。安心してる反面心配してるっす。」
「え?」
「人間は誰でもトラウマがあるんっす。」
「そうね。」
「羽瑠姫さんは総長を裏切ったりしませんよね?」
「裏切る時は誰かが人質に取られた時よ。でもね、本当のあたしを知ったら青龍があたしを嫌うわ?」
きっとあの頃のあたしはおかしかった。
「春樹君、海だぁ!」
「海ですね。もうつきますから下りましょう。」
皆で下りた。
海に行くと男の子がいた。
「お兄ちゃーん!」
「迷子?」
男の子に近づいた。
「大丈夫?迷子?」
「お姉ちゃん、お兄ちゃん見なかった?」
「お姉ちゃんと一緒に探そっか。」
「うんっ!」
抱っこした。
「お兄ちゃんの名前は?」
「静川春道ってゆうんだぁ。」
ドクンっと嫌な音がした。
「どこにいるんだろぉ...。」
頭を撫でた。
「お姉ちゃんが宝物を貸してあげる!」
「え?」
鞄をあさった。
「じゃじゃん!」
「格好いいお人形さん!」
龍の人形だ。渡した。
「これ持ってるとね、大切な人を思い出すんだぁ。」
「僕、今日はお兄ちゃんのお友達と一緒に海に来たんだぁ。遠くに行っちゃダメって言われてたんだけど気付いたら遠くだったの。」
男の子を下ろした。
「お姉ちゃん、心配してるから行くね?あこに、お兄ちゃんいるの見える?」
「うんっ!」
「走って行って?じゃあ、バイバーイ。」
あたしも走ってみんなの所に行った。
「どこ行ってたんですか?」
「迷子の男の子の探し人を探していたのよ。見つかったから帰ってきた。」
「そうなんだ..。でもこれからは言ってね?じゃなきゃ心配するから。」
「はぁい。」
~弥生~
帰りの電車で羽瑠姫は春樹の肩で眠っていた。
つか、二人で。
「弥生、羽瑠姫ちゃんが華になってからよく眠るようになりましたね。遅刻なんてあり得なかったのに最近ではしょっちゅうです。」
「俺、今分かった。好きな奴がいたら落ち着く、って。」
「でも、弥生の恋は応援できません。」
「...は?」
「俺も、羽瑠姫ちゃんが好きです。」
「羽瑠姫は、俺がもらう。」
「俺はライバルです。」
「あぁ。」
次の日
「羽瑠姫、誰にやられた。」 
「転けたの。えーっと、階段で。」
「酷い転け方したんだな?」
羽瑠姫の顔にはガーゼ。膝にもガーゼが貼られていた。
「誰に、やられたんだよ?」
「転けたの!」
「ふぅん?今日は?倉庫来る?」
「ごめんね?今日は家の用事で行けないの。」
「分かった。我慢する。」
「えらいえらい。」

倉庫に行った。幹部室にいた時に聡が土下座した。
「どうした?」
「俺、羽瑠姫を殴っちまった。ごめん!」
「あぁ?」
「どうゆう事です?」
「今日、羽瑠姫に女遊びの事言われた。そんで、我慢できなくて...。」
『転けたの。えーっと、階段で。』
コイツを庇ったのか。
「階段で転けた。俺にはアイツそう言ったんだ。お前を庇った。」
「俺を、庇った?」
「あぁ。」
「そんなっ...。何で俺なんかを...。」
「お前が大切なんだよ。馬鹿野郎。」
「...。」
「アイツも人の事言えねぇよ。男遊びしてんだから。」
「...まぢか。」
「あぁ。」
寮の帰り道、羽瑠姫が公園にいた。
「羽瑠姫、お待たせ。」
「待ってないよ?早かったね?」
「そう?羽瑠姫、どうしたの?その傷。」
「階段から落ちたの。明日には取れるかな。」
「そっか。」
「これ。」
羽瑠姫は男に紙の束を渡した。
「じゃあ、ここに行けばいい?」
「あたしの代わりに頑張ってね。」
「じゃあ、また明日。」
「んー。」
男は去っていった。
「何してんの?弥生。」
「バレてた?」
「あたしを誰だと思ってんの?」
羽瑠姫を抱きしめた。
「女遊び、しそう。」
「駄目だよ。」
「何で?」
「後悔、したのにまた後悔するの?馬鹿なのね。」
「...嫉妬はしてくれないんだ?」
「...。」
「さっきの男なら、嫉妬した?」
「しない。」
「何で?彼氏なんだろ?」
「’仲間’ができても’彼氏’は作んないよ。」
「俺じゃ、ダメ?」
「質問の意図が分からない。」
「俺が彼氏になっちゃダメ?」
「...彼氏は作らないの。」
「元カレを思い出すから?」
「...。」
「俺がその元カレの代わりになるよ。」
「代わりなんて言わないでっ!代わりなんていないんだからっ!」
そう言って俺の腕から消えた。
それからずっと避けられてる。
ただ、噂がある。
街でお掃除してるー、とか。
~羽瑠姫~
全校集会だけど何か理事長の隣に立たされてる。
「大きくなったなぁ。」
「ねぇ、たっちゃん?」
鈴木達也。理事長だ。
「’アイツ’の代わりなんていないよね?」
「人間、代わりなんていないんだぞ。」
「うん。」
「何があったか知らねぇけど弥生と喧嘩したんだろ?」
「うん。まぁ。」
「喧嘩した時は仲直りが大切だ。」
「嫌だ。あたし悪くないもん。」
「うん。それでも。」
皆集まってるのにあたし達だけで話ししててもいいのかい?
「喧嘩に勝者はいないんだぞ。」
「何がいいたいの?」
「お前、一人でヤクザ相手するんだろ?」
「...。」
「それに相手は一番卑怯だ。」
「昨日パパが撃たれたの。あたしがやらなきゃいけない。」
「なんでそうなる。」
「守れなかったのはあたしよ?」
「それは違うだろ。」
「何をしようとあたしの勝手。退学にでもなんでもしたらいいわ?」
「そんな事はしねぇよ。でもな俺はお前にもう、闇なんか背負わせたくねぇんだ。」
「あたしが生きるべきところは’闇(ここ)’しかないの。」
「...。」
「全員潰してやる。」
「...。」
「なぁ、闇の色を教えてやろうか?」

全員倒した。クラスメイトと青龍以外。
「もう、何もかも気に食わねぇなぁ。」