学校には行ってるけど誰とも喋ってない。
ボクに銃を向けた向井時雨。通称:シグ
と一緒に住んでいる。広い広い家に。二人で。
シグも学校に行ってるんだけどこれまた問題児。
あぁ、弥生の事?まぁ、ボクがいなくても大丈夫だと思うよ。
「シグ、学校行ってきまーす。」
「あぁ。」
パパには言ってるからいいの。
「シグ、ギューってして。」
ギューってしてくれた。
でもなぁ...この匂いじゃないんだよね。
「行ってらっしゃい。俺も学校行くから」
「行ってらっしゃい。頑張って。」
「ん。」
学校に行った。
「西条先輩おはよー!」
「おっはー!今日も頑張ろうねー?」
「はい!」
「西条さん、体育館で夢川が暴れてるんですっ!」
体育館に行った。あ、いちごオレ飲みながらね。
「羽瑠姫っ!」
クラスの皆は
「傍観者?」
「止められないんだよ。」
弥生の近くに行った。
殺気がここまで来てる。
どれだけ怒ってんだか。
「ねぇ、弥生?」
「なんだよ」
怒ってるんだね。
「手を穢したいなら手伝うよ?」
「....。」
拳を握った。
「ほら。まだ綺麗じゃない。」
「うるせぇっ!」
ボクに向けられた殺気。
「ボクと喧嘩しよっか?」
それしかこの子の暴走を止める方法はないんだもん。
たとえ、自分かどうなっても弥生が大切だから。
「上等だよ。やってやる。」

数分後
ボクが勝った。
「勝てるはず...ないでしょ?」
「お前も、俺の前から消えるんだ?」
「...?」
「ふぅん。意味分かんねぇ。」
弥生のお腹に座った。
「よく分かんないけど弥生の前から消えるのは皆じゃない?いつかは死ぬ。それは弥生も。そうでしょ?」
「....。」
「喧嘩に勝者はいないよ?」
「でも、敗者はいるんだ。」
「弥生には守るものがいる。だったらこんな子供じみた事やめなさい?」
「お前にも守るものがある。」
「ボクは自分自身のためにみんなを利用した。それだけの事よ。」
「....利用?」
「そう。」
「本気で利用しようとしたら守ろうとなんかしねぇよ。」
「どっちにしたってボクは辞めなきゃいけない。引退だ。もう、喧嘩できる体じゃないんだって。さなさんが言ってたもん。」
「でも、今お前...」
弥生の手の甲に触れてみた。
「震えてる....。」
「弥生、ごめんね?もう行くね。」
ガチャっ
「電話でないと思ったらこんなとこにいた。」
「シグっ!」
「あ、夢川弥生。羽瑠姫の彼氏さん。」
シグにお姫様抱っこされた。
「コイツ、もう俺のだから。」
「ちょっと、シグ!?」
「パパさんが呼んでる。」
「?」
「会合に出ろって。」
「...了解。シグ?学校は?」
「校長殴って停学。」
「...停学で済んで良かったね。」
「次は退学だけどね。」
「...気をつけようね?」
「俺達はこれで失礼する。」
と言って家に連れて帰ってこられた。
「会合、行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
シグと一緒に入れる期間はたったの1週間。
「失礼しまーす」
とか言って入った。
「シグとイチャついてたのか?」
「そうゆう関係じゃないのー。」
ボクの頭はいつまでも夢の中。
ずっとずっと