~羽瑠姫~
あんな事からもう1ヶ月経ってるかな。
「クラス替えも終わった頃かな。」
皆3年かぁ...。
「はーるきっ!」
「苦しいッ!」
後ろから抱きついてきたのは小湊佑樹。
今も男子校で入ってる。男装までしてる。
でも佑樹は本当の名前の羽瑠姫って呼ぶ。
暴走族だね。全国№2天空。総長なのだ。
「また、荒れそうだ。」
「え?」
「ほら」
グランドを見た。
「...。」
皆、逃げて家に帰った。
「羽瑠姫、行こ?」
「ヤーだね。寒いもん。」
パーカーを着せられた。
「暖かいでしょ?」
「佑樹が寒いじゃん。」
ギュッて手を握られてグランドに連れてこられた。
「お前がこの学校のトップか。」
「そーだよー。だから何ー?」 
「ホモなんだな。」
あ、男装してたんだった。
「違うよー。この子が可愛すぎてー。キスでもできちゃうー。」
「興味ない。」
「何?’青龍総長さん’、龍くんばっかり見てさぁ?龍君に用事ー?」
「うるせぇ。」
「天龍まで来るんだー?」
「てめぇ、うざい。」
弥生が殴ろうとしたから止めた。
「’西条羽瑠姫’を探してる。この学校にいるのは分かってる。」
何故探すの?
「龍くんに触らないでー。」
抱きしめられた。
「なぁ、お前、その男にキスできるって言ったな?」
「言ったよー。」
「じゃあしてみろよ。」
「いいよー。」
顔を近づけられたけど
「ヤ...ダ」
って言ってしまった。
「キミ、ムカつくんだけど!」
鈴に抱きつかれた。
「ね、羽瑠姫?何で男装してまで僕達から逃げたのー?」
怒ってる。
「何で?誰の事言ってるのか分からない」
「羽瑠姫は忘れた?僕匂いに敏感なんだよねぇ。羽瑠姫の匂いと一緒だよぉ?」
「....。」
足の力が抜けてきた。瞼も思い。
「キミとできなくてもこの子は弥生とキスできるよー?」
弥生に抱っこされた。
「羽瑠姫...」
キスされたよ。
「はな、ンッ...。」
「羽瑠姫、どうして俺の元から離れた。」
「離して。」
「ふぅん?離していいんだ?」
「...ヤダ。弥生の馬鹿。」
何で毎回それを言うの?返事なんて分かってるくせに。
弥生の首に腕を回して肩に頭を置いた。
「でも、やっぱり離して?ボクはココで頑張ってるから。」
「俺も頑張ったよ。お前がいないあの寮で。皐月さんもさなさんも友介さんも西条の同盟組も水仙組の同盟組も雅紀さんも探してる。初代青龍全員と初代天龍全員がお前の居場所を特定してくれた。お前を尾行してまで探してくれた。」
「...それでも帰れない。ボクには佑樹がいるから。」
「俺じゃなくアイツを選ぶんだ?」
「...ごめんね?」
「離す気になんねぇなぁ。他の男にお前を渡すのはお断りっつー事だな。」
「.....。」
「離せって言うわりにはお前この腕離さねぇな。」
「離してほしいけど...ヤダ。」
「そんな可愛い事言ってたら俺、理性切れちまう。」
「黙れ。このド変態。」
「他の男の匂いするモンはいらない。」
パーカーを脱がされてパーカーは誠から返された。
「寒い....。」
弥生がパーカーを着せてくれた。
「温かい?」
「ん....弥生の匂い....。」
男臭くない。
弥生は下ろしてくれたから後ろから抱きついた。
「誠、そいつの相手しとけ。俺、コイツ着替えさせてくる。」
「え?あぁ。分かった。」
教室に入って服を脱がされた。
「何で消えた?」
「手紙のとおり。」
「ふぅん。」
制服を渡された。
白い襟に赤い線。もう切って短くなったスカート。タイツにブーティ。
いつの間にかスカジャンは着なくなって後ろから見える制服の天龍と青龍と雨龍。
「ボク、ここに残る。」
「ダメだ。」
「ケチ。」
「アイツらは制服なのに俺だけ私服。気付いた?」
「うん。」
「お前が消えてすぐ不登校になった。でも今日で終わりだ。」
弥生も服を脱いだ。
「変態。」
「なっ!誰が変態よ!」
「俺の筋肉ばっかり見てるから。」
弥生の制服姿。
やっぱり格好いい。
「お前も早く着替えろよ。ばか。襲うぞ」
「1つ、聞いてい?」
「1でも100でも」
「どうしてボクのブラがあるの?」
「あ?晒だとお前の胸がねぇからな。どうせきつく縛ってんだろ。特服の時とは違って。」
「...見たの?」
「大量の薬。見た。」
「....弥生、嫌い。」
「ハイハイ。早く着替えろよ。俺が晒とってやるよ。」
とか言ってキスしながら取られた。
ブラもつけられてた。
「細い割には胸、あるな。」
「弥生の為に。」
「は?」
「嘘です。」
制服を着た。
「皐月さんと約束したんだ。絶対にこの学校へ連れて帰ってこい、って。」
「....強引ね。皆。」
「キス、していい?」
「いいよ。」
弥生のキスは好き。
だって優しいから。
偽りがないから。
ガラッ
「こんな事だろうと思いましたよ。早く’帰り’ますよ。」
「弥生、抱っこ。」
「ハイハイ。」
抱っこされて眠った。
目を覚ましたら車の中だった。
弥生の膝の上から見る皆の顔。
青龍も天龍も全員乗ってる。
「弥生、お姫様がお目覚めだよ。」
足と足の間に座らされたから弥生の筋肉ばかりついてる体にもたれてる。
肩に弥生の頭が乗ってる。
「寝かせてあげて?最近、寝てなかったから。」
「うん。」
「それより、あの子って全国№2の総長だよね。」
「うん。でも青龍が狙われる事はないよ。実力が全然違ったし。」
「クスッ、安心できるね。」
「羽瑠姫は誰にもやんねぇ。相手が強くても。」
ねぇ、反対向いてる弥生には分かんないと思うけど今ボクね顔が真っ赤なんだよ?
「羽瑠姫ちゃん、可愛い。」
「可愛い...?羽瑠姫、こっち向いて?」
「やだ。何もないから。」
「何もないわけない。下っ端全員鼻血出してんだから。」
無理矢理向けられた。
「俺も、無理ッ、その顔なしッ!」
抱きしめられた。
「羽瑠姫、ちょー可愛い。誰にも見せられない顔。」
「総長も弥生さんがいたら乙女ですね。」
「うるさいっ!」
クスクス笑われてる。
「弥生、離して?」
「離していいのか?」
「いいよ!」
「離す代わりに押し倒す。」
「ハイハイ。寮についたら邪魔しないから寮に帰ってからイチャついてくれる?」
学校にもついた。
「教室で待ってる。」
一人で理事長室に向かってる。
そして中に入った。
天龍の初代幹部、総長、副総長、さつにぃ、さなさん、ゆうちゃんがいた。