~侑斗~
「誠、売店行きたいんですけど行ってくれませんか?」
「いいよ。」
俺足の骨折ってるんだよね、骨折。
許さねぇ。
売店で二人でコーヒーを買って椅子に座った。
「侑斗は羽瑠姫ちゃんが好きでしょ?」
「まぁ。」
憧れだし大切な人だし。
「恋愛としても好きでしょ?」
「...。」
誠は不思議だ。
封印した俺の気持ちに気づく。
「どうして?告白しないの?」
「告白して今の状態が変わるのが怖い。」
「青龍も天龍も全員知ってたよ。伝えるだけ伝えてみたら?羽瑠姫ちゃんに。」
「迷惑になりません?」
「ならないよ。言ってみたら?」
「そう、ですね。」
病室に戻った。
「あ、羽瑠姫ちゃん。お帰り。」
「ただいまー。誠、侑斗。侑斗、足大丈夫?」
「はい。治りかけてますから大丈夫ですよ。」
「そっか。」
誠は俺の背中を押して自分のベットに戻った。
「あの...弥生、羽瑠姫借りてもいいですか?」
「あぁ。いいぞ。」
「羽瑠姫、行きましょう。」
二人で屋上に行った。 
「どうかしたの?侑斗。」
「いえ...あの...」
「侑斗?」
「好きです!多分ずっと前から!ずっと好きだったんです。恋愛感情で。でも羽瑠姫には大輝さんがいて、今では弥生がいてっ!迷惑になる、と思って羽瑠姫には伝えられませんでした...。今の関係が変わってしまう事に怯えて。」
「ごめん...。」
「羽瑠姫が弥生を裏切る訳ないですよ!知ってましたから!」
フられるのを覚悟に言ったんだから。
だからそんな顔しないでよ。
「侑斗、ボクも大好きだよ。でもその’好き’は仲間として。家族として。ボクに本気の告白をしてくれたのは4人目。弥生と大輝と侑斗。侑斗、ボクは侑斗を守れる自信はありません。救える事も支える事も。」
あと一人が気になるが首を横に振った。
だって守られてるし。
だって...救ってくれたし。
支えてくれたし。
「ボクを支え続けてくれる侑斗は大好きです。侑斗、これからも支えてね。」
「ハイっ!」

羽瑠姫は寝ておんぶした。
「戻りますか...。風邪、引かれたら困ります。」
病室に行った。
「松葉杖で羽瑠姫をおんぶしてくれたのか?」
「ハイ。」
「ありがとな。侑斗。」
「いぇ。先に寝るんでおやすみなさい」
「おやすみ」
ベットに座った。
この部屋全体、カーテンを閉めたらその空間だけ防音になる。
だからカーテンを閉めた。
『男でも泣く事あるだろうが。』
大輝さん、失恋しました。
優しいフり方でした。
今日だけたくさん泣こう...。