~誠~
次の日
「誠」
「どうかした?鈴。」
「侑斗の事話したいんだけど。ずっと前に話しておかなきゃって思ってたんだけど羽瑠姫が今はいいって言うから...。」
「侑斗の事?」
「侑斗ってね、羽瑠姫よりマシだけど自分を責める癖があるんだ。」
「だろうね。」
今もそうだし。
「俺と侑斗は幼稚園から中学までずっと一緒にいてさ。俺が先に天龍に入った。その時の侑斗、本気で荒れててさ。殴れば相手は意識不明で。母親が原因だった。今は離婚してるんだけどさ。」
「うん。」
「侑斗の母親、完璧主義者で。父親がいない所で侑斗に手をあげてた。天龍も青龍と同じで全員組の若で水仙組の同盟組の若でさ。青龍は西条の同盟組の若でしょ?そんな感じ。」
「うん。」
「侑斗にとって喧嘩はストレス発散でしかなかった。だから羽瑠姫と大輝に頼んだ。俺の友達を救って、って。羽瑠姫、その夜、動いたんだ。天龍の縄張りを荒してたからすぐに見つかった。」
「うん。」
「羽瑠姫、その頃喧嘩できなかったから侑斗とジャンケンしたんだ。羽瑠姫は勝って侑斗を倉庫に連れて来て責任重大の幹部をやらせた。辞めないためにね。それでも倉庫に来る度侑斗は傷が増えていた。それで羽瑠姫は家に乗り込みに行った。そこで父親は初めて気がついて離婚をした。大輝の事は羽瑠姫の次に憧れてた。だから大輝が死んで羽瑠姫を支えようって決めてた。なのに記憶を失った。」
「そっか...。」
「でも侑斗、恋愛で羽瑠姫の事好きだったから...。」
「告白は?」
「多分しない。」
「そっか...。」