~弥生~
「昨日自己紹介した時、再会出来た。って思った。でもあいつは俺達の事、どうも思ってねぇんだ。」
「なんで可愛いキャラと無口なキャラ?」
「文化祭で執事役だったんだ。だから。」
「アイツも、お前らの事大切なんだな。」
夜になって寮から抜けだして体育館に行った。
「きらきらひかるー♪お空の星よー♪」
透き通る声で歌っていた。
「きらきら星、好きなのか?」
「別に。」
「二人から聞いた。ありがとな。」
「...。」
「知ってるか?俺とお前が寮一緒なの。」
「...。」
「紹介しなくても知ってんだろ?俺達の事。」
「えぇ。」
「じゃあ話は早い。俺&お前。聖夜&聖斗。誠&聡。それが寮の順番。隣の部屋にいるけどな。」
「知ってるわ?あなたと同じ部屋なのも。隣があの子たちなのも。だからこそ行かないの。」
「嫌いなのか?あの双子の事。」
「嫌いなんじゃない。でもあたしがもうあの子達に関わることは許されない。」
~羽瑠姫~
あたしが転校して一週間が経った頃。
「西条さん、双子が人質に取られて俺達じゃ動けないのです。だから、力を貸していただけないでしょうか。」
「城下君達でどうにかしてくれます?」
「...。」
「自分達でどうにかできますよ?」
「ナイフを持っているのです。」
「相手は、どこにいる。」
「体育館です。」
体育館に走った。
「次は誰だよ。青龍が来たら殺すけど。」
「あたしは青龍じゃねぇ。ソイツらのダチだ。」
「あぁ?」
「ソイツらを傷つけられて黙ってるわけにはいかねぇなぁ。」
「青龍は来るなって言ってるじゃねぇかよ!」
「青龍は相手にならないから?強すぎて?自分の力じゃ勝てないから?」
「おい女、調子のってんじゃねぇよ!」
「お前は何故、喧嘩をする。」
「俺は、強くならなきゃいけないんだ!」
「本当の強さは喧嘩じゃねぇ。今のあんたは’女’のあたしに勝てない。」
「あぁ?!」
「その子達を離してくれない?」
「離したら、俺と戦えよ。」
「いいよ。」
二人は離された。
二人にパンチをした。軽く。
「てめぇら油断してんじゃねぇよ!全国トップの幹部ともあろう奴がこんなへぼい奴らに捕まりやがって!」
「ごめんなさい。でも、」
「来てくれるって信じてた。だから、」
「誠に頼んだんだよ。」
「あたしが来なかったらどうする?ナイフは死んじゃうんだよ?」
「それでも、来てくれるって信じてた。」
二人のほっぺにはナイフの切り傷があった。
「二人の綺麗な顔に傷が残ったらどうしてくれんだよ。」
「あぁ?」
「あたしには勝てない。誰も。」
ドスッ
ドカッ
一瞬で倒れた。
「弱い。ナイフを持つ奴は自分の本当の強さにいつまでも気付けない。」
二人が抱きついてきた。
「全国トップの幹部ともあろう奴が油断するな!」
「でもね、助けてくれるって分かってたから。」
「だから、誠に頼んだんだよ。羽瑠姫に言ってきてって。」
「助けにこなかったらあんた達死んでたかもしれないよ?あたしがいつでも来るとは限らない。」
「「それでも信じるんだから!」」
「今のあんた達にはあたしが不必要なの。白に黒を足したら灰色になる。」
「羽瑠姫は、黒に染まっちゃったの?」
「もう、戻れないから。あたしに関わっちゃダメ。」
「毎日話しかけるから!」
「覚悟しておいてね!」
次の日からずっとだった。
「ねぇねぇ、羽瑠姫ー?」
「屋上行こー?」
「...。」
そんな感じで一週間。
「ねぇねぇ、羽瑠姫?もうそろそろ喋ってよー。」
「あーもう!うるせぇ!」
「やっと喋ったぁ!」
「屋上直行ね!」
お姫様だっこされた。
「離、して」
「落ち着くでしょー。」
確かに落ち着くわ?でも、
「離してっ!」
「ヤーダ。」
あたしもそこまで馬鹿じゃないので大人しくする事にした。
「聖夜?」
「んー?どうしたのー?羽瑠姫。」
「重いでしょ?離して?」
「ヤーダね。」
「眠ってもいい?」
「クスッ、おやすみー。」
~聖夜~
俺の腕の中で寝ている羽瑠姫。
「あの日から、何も変わってねぇ。俺か聖斗が抱っこしたら寝る。」
「あぁ。」
「それだけ、認めてくれてんのかな。」
「俺ら、こいつが認める一人ひとりに嫉妬するのかな?」
「コイツを華にするかもーって下っ端で噂されてる。」
華は青龍が全力で守る存在。
「まぁ、コイツに会っただけなのに弥生、目で追ってるんだよな。」
「隣通り過ぎてっただけなのに、にやけてるくらいだぜ?」
「「イライラする。」」
結局、嫉妬だ。
ガチャっ
「たっだいまー。」
「おかえり。」
「連れて来てくれたんですね。ありがとうございます。」
「聖夜、その女俺にくれよ。」
「やーだね。ねぇ?聖斗。」
「あぁ。絶対いやだ。」
二人で座って俺の膝に座ってる。その隣で聖斗は服を掴まれている。
「聖夜...聖斗...ご、めんね...。」
「もう、いいじゃん。」
「俺達が弱かったからだよ?」
「知らないふりなんてしないでよ。」
「辛いじゃねぇかよ。」
羽瑠姫は目を覚ました。
「...青い、お空。」
「今日は青いな。」
「なぁ、西条?華になんねぇか?」
「無理。」
「そうだよ!僕達は反対!だってもしも守れなかったら羽瑠姫、傷つくんだよ?」
「だから守るんだよ。」
一週間後
羽瑠姫は姫になって毎日倉庫に来てくれる。でも俺達は行ってない。
つか、避けてる?
「聖夜、聖斗、今のままでいいの?」
「...。」
「このままじゃ何も変わらない。」
「分かってるよ。でもね?」
ガチャっ
「羽瑠姫、どうした?」
弥生達が来た。
「何でっ、「あたしが呼んだ。今のままじゃらちが明かないし。」
「なぁ、文句あるなら言えよ。」
「俺達にしか懐かなかったんだっ!」
「羽瑠姫は中学の時から俺らにしか懐かなかったんだっ!」
「お前らに会って、羽瑠姫は変わった!」
「俺達だけの姫なのにっ!」
「俺達だけの光だったのにっ!」
「「なのにお前らのせいで俺達だけのじゃなくなったっ!」」
「いや、あたしはあんた達のじゃないから。」
「「俺達だけのなんだ!俺達が守らなきゃって思ってたのに!」」
「嫉妬、じゃん。」
「重くてもいいんだ!」
「弥生達と一緒にいてどうせ俺達なんか放ったらかしなんだろ!」
「聖夜、聖斗ねぇ、あたしと喧嘩しない?あの日買えなかった喧嘩を。」
「「えっ...。」」
あの、最強と呼ばれた女だよ?
「あたしがあんた達の相手になってあげる。」
羽瑠姫はスカジャンを脱いで袖を折った。
中学の羽瑠姫と一緒だ。
背中に薔薇の刺繍。
スカートにはチェーン。
「あたしが生きてる理由はあんた達だった。中学の頃。だから傷つけられたら許せなかった。もう、あんた達にはあたしは、不必要なの、って言ったの覚えてる?」
「「うん。」」
~羽瑠姫~
「中学の頃のアンタ達は生きる意味を失っていた。だからこそ助けたくなった。そして、あたし達は友達になった。離れるって決意したのは、二人から離れたかったからもあるけど、この『街』から離れたかったんだよ。でも、最近この街に帰ってきたんだ。」
「「そこまで、嫌だ?」」
「聖夜、聖斗、あんた達があたしの相手になるんだ。もう弱い自分とはおさらばして?」
「本気でやっていい?」
「いいよ。あたしは自分を倒してくれる人を探してるんだから。」
希望を感じたんだ。
この子達なら...って。
でも、一瞬で倒れた。
「強すぎ、なんだよ...。」
「これが『救世主羽瑠姫様』だよ。あたしは、あたしを必要としてくれる人を守る。それが喧嘩。でもあなた達には守るものがあり総長とゆう名のトップにも命を守られている。だから、あなた達にはあたしは不必要。守るものがあるからこそ人間は強くなれんだよ。」
「「...。」」
「しょぼい事で喧嘩してねぇで仲間の闇討ちに気付け!」
「「ごめん、なさい。」」
「反省したのならばそれでいい。」
二人に手を差し伸ばした。
「起きて。汚れるよ。」
二人は手を繋いで立ってくれた。
「「ありがとう。」」
「何にたいしてのありがとう、か分からないけど?まぁ、当たり前でしょう?聖夜と聖斗の友達だから。」
「「本当は分かってるくせに。」」
「んー?知らなーい。」
知らないふりでもいい。
『ありがとう』なんて言葉あたしにはかけ離れている。
「ほらほら、教室戻って!遅刻するよ!」
「えー!」
「羽瑠姫、出ないんだろ?」
「うん。」
こんな大切な仲間を守れなかった時の絶望を考えてしまう。
「昨日自己紹介した時、再会出来た。って思った。でもあいつは俺達の事、どうも思ってねぇんだ。」
「なんで可愛いキャラと無口なキャラ?」
「文化祭で執事役だったんだ。だから。」
「アイツも、お前らの事大切なんだな。」
夜になって寮から抜けだして体育館に行った。
「きらきらひかるー♪お空の星よー♪」
透き通る声で歌っていた。
「きらきら星、好きなのか?」
「別に。」
「二人から聞いた。ありがとな。」
「...。」
「知ってるか?俺とお前が寮一緒なの。」
「...。」
「紹介しなくても知ってんだろ?俺達の事。」
「えぇ。」
「じゃあ話は早い。俺&お前。聖夜&聖斗。誠&聡。それが寮の順番。隣の部屋にいるけどな。」
「知ってるわ?あなたと同じ部屋なのも。隣があの子たちなのも。だからこそ行かないの。」
「嫌いなのか?あの双子の事。」
「嫌いなんじゃない。でもあたしがもうあの子達に関わることは許されない。」
~羽瑠姫~
あたしが転校して一週間が経った頃。
「西条さん、双子が人質に取られて俺達じゃ動けないのです。だから、力を貸していただけないでしょうか。」
「城下君達でどうにかしてくれます?」
「...。」
「自分達でどうにかできますよ?」
「ナイフを持っているのです。」
「相手は、どこにいる。」
「体育館です。」
体育館に走った。
「次は誰だよ。青龍が来たら殺すけど。」
「あたしは青龍じゃねぇ。ソイツらのダチだ。」
「あぁ?」
「ソイツらを傷つけられて黙ってるわけにはいかねぇなぁ。」
「青龍は来るなって言ってるじゃねぇかよ!」
「青龍は相手にならないから?強すぎて?自分の力じゃ勝てないから?」
「おい女、調子のってんじゃねぇよ!」
「お前は何故、喧嘩をする。」
「俺は、強くならなきゃいけないんだ!」
「本当の強さは喧嘩じゃねぇ。今のあんたは’女’のあたしに勝てない。」
「あぁ?!」
「その子達を離してくれない?」
「離したら、俺と戦えよ。」
「いいよ。」
二人は離された。
二人にパンチをした。軽く。
「てめぇら油断してんじゃねぇよ!全国トップの幹部ともあろう奴がこんなへぼい奴らに捕まりやがって!」
「ごめんなさい。でも、」
「来てくれるって信じてた。だから、」
「誠に頼んだんだよ。」
「あたしが来なかったらどうする?ナイフは死んじゃうんだよ?」
「それでも、来てくれるって信じてた。」
二人のほっぺにはナイフの切り傷があった。
「二人の綺麗な顔に傷が残ったらどうしてくれんだよ。」
「あぁ?」
「あたしには勝てない。誰も。」
ドスッ
ドカッ
一瞬で倒れた。
「弱い。ナイフを持つ奴は自分の本当の強さにいつまでも気付けない。」
二人が抱きついてきた。
「全国トップの幹部ともあろう奴が油断するな!」
「でもね、助けてくれるって分かってたから。」
「だから、誠に頼んだんだよ。羽瑠姫に言ってきてって。」
「助けにこなかったらあんた達死んでたかもしれないよ?あたしがいつでも来るとは限らない。」
「「それでも信じるんだから!」」
「今のあんた達にはあたしが不必要なの。白に黒を足したら灰色になる。」
「羽瑠姫は、黒に染まっちゃったの?」
「もう、戻れないから。あたしに関わっちゃダメ。」
「毎日話しかけるから!」
「覚悟しておいてね!」
次の日からずっとだった。
「ねぇねぇ、羽瑠姫ー?」
「屋上行こー?」
「...。」
そんな感じで一週間。
「ねぇねぇ、羽瑠姫?もうそろそろ喋ってよー。」
「あーもう!うるせぇ!」
「やっと喋ったぁ!」
「屋上直行ね!」
お姫様だっこされた。
「離、して」
「落ち着くでしょー。」
確かに落ち着くわ?でも、
「離してっ!」
「ヤーダ。」
あたしもそこまで馬鹿じゃないので大人しくする事にした。
「聖夜?」
「んー?どうしたのー?羽瑠姫。」
「重いでしょ?離して?」
「ヤーダね。」
「眠ってもいい?」
「クスッ、おやすみー。」
~聖夜~
俺の腕の中で寝ている羽瑠姫。
「あの日から、何も変わってねぇ。俺か聖斗が抱っこしたら寝る。」
「あぁ。」
「それだけ、認めてくれてんのかな。」
「俺ら、こいつが認める一人ひとりに嫉妬するのかな?」
「コイツを華にするかもーって下っ端で噂されてる。」
華は青龍が全力で守る存在。
「まぁ、コイツに会っただけなのに弥生、目で追ってるんだよな。」
「隣通り過ぎてっただけなのに、にやけてるくらいだぜ?」
「「イライラする。」」
結局、嫉妬だ。
ガチャっ
「たっだいまー。」
「おかえり。」
「連れて来てくれたんですね。ありがとうございます。」
「聖夜、その女俺にくれよ。」
「やーだね。ねぇ?聖斗。」
「あぁ。絶対いやだ。」
二人で座って俺の膝に座ってる。その隣で聖斗は服を掴まれている。
「聖夜...聖斗...ご、めんね...。」
「もう、いいじゃん。」
「俺達が弱かったからだよ?」
「知らないふりなんてしないでよ。」
「辛いじゃねぇかよ。」
羽瑠姫は目を覚ました。
「...青い、お空。」
「今日は青いな。」
「なぁ、西条?華になんねぇか?」
「無理。」
「そうだよ!僕達は反対!だってもしも守れなかったら羽瑠姫、傷つくんだよ?」
「だから守るんだよ。」
一週間後
羽瑠姫は姫になって毎日倉庫に来てくれる。でも俺達は行ってない。
つか、避けてる?
「聖夜、聖斗、今のままでいいの?」
「...。」
「このままじゃ何も変わらない。」
「分かってるよ。でもね?」
ガチャっ
「羽瑠姫、どうした?」
弥生達が来た。
「何でっ、「あたしが呼んだ。今のままじゃらちが明かないし。」
「なぁ、文句あるなら言えよ。」
「俺達にしか懐かなかったんだっ!」
「羽瑠姫は中学の時から俺らにしか懐かなかったんだっ!」
「お前らに会って、羽瑠姫は変わった!」
「俺達だけの姫なのにっ!」
「俺達だけの光だったのにっ!」
「「なのにお前らのせいで俺達だけのじゃなくなったっ!」」
「いや、あたしはあんた達のじゃないから。」
「「俺達だけのなんだ!俺達が守らなきゃって思ってたのに!」」
「嫉妬、じゃん。」
「重くてもいいんだ!」
「弥生達と一緒にいてどうせ俺達なんか放ったらかしなんだろ!」
「聖夜、聖斗ねぇ、あたしと喧嘩しない?あの日買えなかった喧嘩を。」
「「えっ...。」」
あの、最強と呼ばれた女だよ?
「あたしがあんた達の相手になってあげる。」
羽瑠姫はスカジャンを脱いで袖を折った。
中学の羽瑠姫と一緒だ。
背中に薔薇の刺繍。
スカートにはチェーン。
「あたしが生きてる理由はあんた達だった。中学の頃。だから傷つけられたら許せなかった。もう、あんた達にはあたしは、不必要なの、って言ったの覚えてる?」
「「うん。」」
~羽瑠姫~
「中学の頃のアンタ達は生きる意味を失っていた。だからこそ助けたくなった。そして、あたし達は友達になった。離れるって決意したのは、二人から離れたかったからもあるけど、この『街』から離れたかったんだよ。でも、最近この街に帰ってきたんだ。」
「「そこまで、嫌だ?」」
「聖夜、聖斗、あんた達があたしの相手になるんだ。もう弱い自分とはおさらばして?」
「本気でやっていい?」
「いいよ。あたしは自分を倒してくれる人を探してるんだから。」
希望を感じたんだ。
この子達なら...って。
でも、一瞬で倒れた。
「強すぎ、なんだよ...。」
「これが『救世主羽瑠姫様』だよ。あたしは、あたしを必要としてくれる人を守る。それが喧嘩。でもあなた達には守るものがあり総長とゆう名のトップにも命を守られている。だから、あなた達にはあたしは不必要。守るものがあるからこそ人間は強くなれんだよ。」
「「...。」」
「しょぼい事で喧嘩してねぇで仲間の闇討ちに気付け!」
「「ごめん、なさい。」」
「反省したのならばそれでいい。」
二人に手を差し伸ばした。
「起きて。汚れるよ。」
二人は手を繋いで立ってくれた。
「「ありがとう。」」
「何にたいしてのありがとう、か分からないけど?まぁ、当たり前でしょう?聖夜と聖斗の友達だから。」
「「本当は分かってるくせに。」」
「んー?知らなーい。」
知らないふりでもいい。
『ありがとう』なんて言葉あたしにはかけ離れている。
「ほらほら、教室戻って!遅刻するよ!」
「えー!」
「羽瑠姫、出ないんだろ?」
「うん。」
こんな大切な仲間を守れなかった時の絶望を考えてしまう。

