~弥生~
「弥生、頑張ってね?」
’ボクの代わりに生きて’そう言ってるんだ。
口に出さないだけ。
俺が手術終わってこの部屋に来たらお前はいないだろう。
俺は目を瞑った。

声が聞こえたんだ。
「夢川弥生?」
目の前にはムカつくほどのイケメンがいる。
「誰だテメェ...。」
「篠原大輝。」
「じゃあ俺死んだのか?」
「死んでねぇよ。つか、死なれたら困るんだ。」
「困る?大輝さんが困る事あります?」
「死鬼に行きやがった。それも一人でな?」
「羽瑠姫が...っ?」
「あっちには人がたくさんいる。例え羽瑠姫でも無理だな。アイツが昔のままだったら、な。」
「それが辞めた理由...。」
「それから死鬼を潰したのと同時にアイツは死のうとする。お前は羽瑠姫を愛してるか?」
「はい。」
「俺じゃしなかった顔をお前の前では羽瑠姫、するんだ。」
「...。」
「できなかったんだろうな。今でもそうだ。アイツは何でも一人でやろうとする。相手に気を使うんだ。」
「はい。」
「アイツを頼んだぞ。」
「はい。」
「あ、あと言っといて。俺にばっかり囚われてんじゃねぇ。って。」
大輝さんに背中を押された。

気付いたらベットの上。
「お前、大量出血で死にかけたんだぞ!馬鹿!」
「親父、羽瑠姫は?」
「俺じゃ止められなかったんだ。」
「さなさん、行かせてください。」
「当たり前。」
服を渡された。
「無茶はするな。さっき行ったばかりだからな。」
「はい。」
服を着替えて倉庫に向かった。
やっぱりシーンってしてて。
「行くぞ!」
「総長?!」
「天龍、お前らは行かなくていいのか?アイツは一人で死鬼に行ってんだぞ!」
「知ってんだよ!ばぁか!羽瑠姫の事は天龍の俺らが一番!」
やっと元気でた。
「行くぞ!」
バイクに跨った。

何が引退だ。何が辞めるだ。
ふざけんのもいい加減にしろよ?
族の世界に引きずり込んだのは元はといえばお前だろうが。 
『お前に守りたいものはあるのか?』
『守りたいもの?』
『あぁ。守りたいもの。ボクにはあるんだ。色々な。お前は、仲間を作れよ。』
『仲間?』
『あぁ。じゃねぇと強くなれねぇよ?』
『俺に仲間なんてできねぇよ。』
『青龍に行け。できる。仲間が。』
青龍の倉庫に行けば
『羽瑠姫から聞いてる。この街を荒らしてる犯人。お前の人生で償えよ。』
『あ?』
『今日から仲間だ。新人テストをしよう』
喧嘩をして全員倒したが総長と副総長によって俺は倒されていた。
『何者だよ...。』
『俺よりお前の会った奴の方が強い。天龍の副総長様だ。』
何だよ。お前が逃げてどうする。
逃げてばかりって、それ以外にやり方があるだろ。
支えるのは彼女の役目?
じゃあ彼氏の俺がお前を支えて守るのは役目だろ。
俺から逃げたいなんて百万年無理だよ。
死にたいなら、死ねるもんなら死んでみろよ。
俺がお前を探しだすから。
俺は大輝さんじゃねぇ。俺は弥生だ。
お前も大輝さんの代わりじゃねぇ。
お前は羽瑠姫だろ。
大輝さんを忘れてどうする。
心に留めておいたらいいじゃねぇか。
そりゃ、俺は大輝さんより弱いよ。
でもお前を支えるには充分な力あると思う

『喧嘩が全てじゃねぇ。』
お前がそう言ったんだろ。
じゃあなんで無茶するんだよ。馬鹿か。