~友介~
「先生」
「あ?」
「総長は?」
「休学」
「休学?」
「あぁ。いつもみたいに。なぁ、いつからなんだ?あぁ、なったの。」
「大輝さんが言ってたのは水仙組組長が亡くなってからだそうですね。感情が失くなってしまったから自分で気付けず考え込んで苦しくなって倒れるようになったんですって。」
「俺、てっきり大輝がいなくなってかと思ってた。」
俺にも知らない事が仲間のこいつらには分かってる。ある意味ムカつくかも。ただの嫉妬か。
「じゃあ、知らない男に触られたら拒むのは?」
「あれは、犯された次の日からでした。」
「天龍でも無理でした。」
ダメだ。どうして辞めたのか聞きたい。
「どうして辞めた?」
「自分は大輝さんの座ってた椅子に座れない。でもあこを空席にしてはならない、って。男が来たんです。それで大輝から貰ったネックレスを千切られたんです。」
それが1番の理由ですか...?
「自分が大輝大輝って言って過去に囚われてるから皆まで囚われていた。解放したい、とかなんとか。」
「一人で抱え込むのは昔から変わってねぇんだな。」
「それは、俺らが出会った時からずっとって親父が言ってました。」
「結局、死んで酷くなった...。」
「ハイ。」
「お前ら本当に羽瑠姫さんが辞めたままでいいのか?イヤ...口出しはしねぇよ。俺はただの教師だからな?でも本当にいいのか?後悔するんじゃねぇの?」
「今は誰にも会いたくないんでしょう。」
「まぁそうだろうなぁ。」
いつもの事だから。
そう、いつも通り。

そして、いつもと違う事がおきてしまう。
それが現実なんだろうか。