「なぁ聖夜ぁ、『西条羽瑠姫』のところに喧嘩売ってこいよぉ。ヤクザの息子だろ?聖斗と一緒にさぁ?」
うちの中学では有名だった。男子校の中学校。
『西条羽瑠姫』
可愛くて姫のように華奢な体つきででも喧嘩を売ってきたら全て買って勝つんだ。
喧嘩売るのは命知らず。
中2の女が学校のトップだった。
いつも、体育館で1人ど真ん中に寝転がっている。
「行こうぜ。」
「本気で言ってんのか?聖夜。」
「殺されても悔いはねぇ。死ぬより生きる方が辛いんだ。」
二人で体育館に行った。
「あんた達は確かうちのクラスの男子さん?喧嘩を売りに来たのは誰かに命令されたから?それは喧嘩を買えないなぁ。」
「...。」
「何故わかった。顔を見ていないのに。」
「直感?的な。」
「こんな所に寝るって無防備なんだな。」
「寝てないよ?考えてるの。これからこの中学校はいじめが無い中学校にしたいなぁ、とか。」
「いじめがない学校なんてないんだ。」
「あったらこの学校を転校する。」
「あたしに不可能はなーい。よーし、あんた達をいじめる奴を教えろー。救世主羽瑠姫が助けてやるよ。」
教室に連れてこられた。
「羽瑠姫さんっ!」
「てめぇらか?こいつらをイジメたの。」
「いえっ!」
女は全員を倒した。早かった。
「今後一切この子達に手を出すな。喋るな。この子達がイジメられていたら助けろ。もし、それが出来なかった場合、テメェらは...。」
それから羽瑠姫とは仲良くなった。
「聖夜、可愛い子演じたら?聖斗は無口系。」
「「今の俺達のキャラ嫌だ?」」
「嫌だじゃないけどさぁ...。」
「羽瑠姫は豊富だね。」
「いや、天然だろ。」
そんな事で生きる意味ができたんだ。
でも、そんなある日。

いじめていた男がキレてナイフで俺達の腹を刺した。
「ごめんっ!守るって言ったのにごめんっ!」
この時初めて羽瑠姫は涙を見せた。
その次の日から羽瑠姫は学校に来なくなった。
『聖夜&聖斗へ
本当に守れなくてごめんなさい。
守れないのならば、離れる。
あたしと出会ってくれてありがとう。
キャラ、ちゃんとしてね?
強くなって、中学でアタマはっとけ!
でも理由がなく喧嘩はするんじゃねぇぞ。
羽瑠姫より』
そう、手紙を書いて。
それから最強と呼ばれるくらいに強くなって中学でアタマはって。
キャラだって変えた。でも、キレたら戻ってしまった。
それから青龍に出会って幹部にもなれてもう一度俺達にも生きる意味ができたんだ。