「うん。つか、死なせてくんねぇだろ?」
「あぁ。」
「てかさ、何で海なんか来たんだよ?」
「なぁ、樹扉夏、俺さ、その...」
「何よ...。」
「付き合って!」
「え?どこに付き合うの?」
「いや、そうゆう事じゃねぇし。」
「どうゆう事?」
「この、ド天然!バーカ!」
「頭はいいから!大輝よりか!」
「...。好きなんだ。」
「...え?」
あたしの唇に温かいものが触れた。
「樹扉夏の事が好きだ。俺と付き合え。」
「ボクも大輝が好き!」
「付き合ってくれるか?」
「うんっ!」
「やった!」
1ヶ月経ってあたしの名前は変わった。
まさくんが引き取ってくれて西条羽瑠姫って名前に。
でも水仙組はあたしが継いだ。
でも水仙組でいる時は水仙樹扉夏。
普段は西条羽瑠姫。
「まさくん、」
「ん?」
「パパ、って呼んでもいぃ?」
「いいぞ。」
倉庫に行った。
「羽瑠姫、族作ろうか!」
1ヶ月で人が集まって何か世界№1になった。
’天龍’
皆優しかった。とっても。
裏切り者なんていなかったし思った事は口に出していたから喧嘩する事はあっても止めたりしなかった。
あたしは副総長で大輝が総長。
幹部は3人いた。
藤谷侑斗。落ち着いていて黒髪に黒い瞳。いつでも敬語なんだ。呼び捨てだけど。一人称:俺。いつまでも大輝さんって呼んでる。
森川鈴。ピンクの髪にピンクの瞳。一人称僕。だけどキレたら俺。ボクより数cm身長は高い。
静川春道。青い髪に青い瞳。 
でも全員組の若頭だった。青龍もね。
「ねぇねぇ」
「羽瑠姫さんどうしたんですか?」
「あ、放っといていいぞ。」
「最近羽瑠姫、ねぇねぇ、って言うのハマってるんです。」
「そうなんですか?」
「ガキの一つ覚えみたいな感じだ。」
「ねぇねぇ」
「ハマるもんっすか?ねぇねぇって」
「全く。羽瑠姫。」
「ねぇねぇ」
「分かったわかった。さてと、帰るか!何かあったら連絡してこい!」
大輝と二人で出た。
皆あたしのパパの事とかも全部知ってる。
いつも通り青龍の倉庫の大輝の部屋に行った。いつも鍵占めるんだ鍵占めたら防音になるから。
大輝と二人になったら泣く事が増えた。
「ねぇねぇ」
「ん?」
「せっかく夢を叶えたのに、なのにパパはいないね。」
「...」
抱きしめてくれた。
「どうしてボクのパパなんだろう。どうして青龍は狙われちゃうのっ...」
「全国にいたらそうゆうもんだろ。世界である俺達もいつかは狙われる。」
「大輝っ...死なないでね?」
「なぁ、ヤろう?」
「え...?」
「ダメ?」
「...いいよ。大輝なら。」
次の日
「腰痛い...」
「幸せだったぜ」
「ボクも!」
これだけラブラブのクセに喧嘩した。
「闇討ち?!」
「あぁ...。皆には知らせた。」
「ボク最後なんだ?」
「俺も忙しかったんだよ。」
「はぁ?総長であるなら普通副総長のボクに先に伝えるんじゃないの?」
「伝えるのに順番なんかいらねぇんだよ。伝わったらそれでいい。」
「じゃあ副総長なんかいらないじゃん。」
「お前には分かんねぇよ。」
「大輝なんか嫌い」
パソコン室に入って調べものをしていると夜になっていた。
ブー、ブー、
「ハイ」
『俺だけど。』
「パパっ!」
『倉庫集合な』
「了解」
電話を切って部屋を出ると大輝が立っていた。
「え、何?」 
「一人じゃ倉庫行けねぇだろ?」
「行けるし。」
「危ねぇだろ。」
「ボクが可愛いくて可愛いくて仕方なかった?」
大輝は顔を赤くした。
「ちがっ!「違うんだ?ふーん。」
「あぁ、そうだよ!可愛いくて仕方なかったんだよ!お前が拉致られたりしたら俺、自分を見失っちまう!これで満足か!」
「なんで大輝はいつもボクの喜ぶ言葉を言ってくれるの?」
「何年そばにいたと思ってる?」
「倉庫、行かなきゃ....」
「ほら!行くぞ!」
手を引かれて連れて行かれた。
「どうしたの?」
「羽瑠姫、お前が狙われてる。」
「え?」
「樹王騎達を殺した奴が...お前を狙ってる。お前に潰された復讐らしい。」
「青龍にも天龍にも水仙組にもその同盟組にも手出しはさせないわ?」
「お前一人で行くってゆうのか?」
「あっちが復讐するならボクだって復讐するわ?」
「そんな事しても樹王騎は「返ってこないよ。死んでるんだから。でも気に食わない。パパが死んだのに何でゴミクズみたいな奴が生きてるのよ。次こそ殺してやるわ?」
「そんな事したらお前は相手と同じになるんだぞ?!」
「じゃあどうしろってゆうの?ボクが守れなかったせいなの...パパを守れなかったの....」
「でも、今のお前は喧嘩ができねぇだろ」
大輝のゆう通り。この時のあたしは喧嘩ができなかった。怖かったから。人の血が。
「そうよ。でも....。」
「何でお前一人で背負う!」
「うるせぇっ!やるって言ったらやるんだよ!」
「やっぱりお前は樹王騎の娘だ。やるって言ったら聞かねぇなぁ。」
「総長っ、許可を下さい。」
「条件付きで許可をやろう。」
「天龍と青龍を連れて行け。」
「怖いんだ...。あの日のことが蘇る。血で真っ赤になった倉庫が。」
「青龍が闇討ちに遭ってる。」
「天龍も...。」
「もう逃げる事はできねぇ。総長が出ないで姫だけを出す事はできねぇだろ。」
「副総長だけを出す事はできないだろ。」
「ボクが弱いから?」
「違っ「ボク一人で行く。無駄な血は流させねぇよ。」
幹部室を出た。
「華っ!」
「ん?」
「助けて下さいっ!公園で竜がっ!」
「行こう。」
公園に行くとボロボロの竜がいた。
「もう終わりか?青龍のクセに。」
「ゴホッゴホッ」
竜を知らせてくれた子に渡した。
「様子が変わったようだな。」
「....そうかしら。」
「俺達の倉庫に来い。じゃねぇとソイツらを....殺す。」
「いいわ?行ってあげる。」
二人に『誰にも言わないで』って言って男について行った。
手まで繋がれてる。
「復讐....なら今ボクを殺ればいいじゃないの?」
「今のお前は喧嘩ができねぇ。そんな奴相手になんねぇよ。」
「...。」
「お前は篠原が弱点か?」
「さぁ?どうだろ。」
「ふぅん。」
「君の名前を教えて?」
「死鬼の総長、十文字春斗。」
次の日
「お前、何で十文字と一緒にいたんだよ!」
半分寝かけてるのに天龍の皆と集会中。
「さぁ?何でだろうね。」
「お前喧嘩売ってんのか?」
「喧嘩できないのに喧嘩売ってどうすんの?」
「あぁ?!お前、昨日どれだけ心配したと思ってんだよ!天龍全員も青龍まで動いて探してくれたんだぞ?!」
「...い」
「あ?」
「何も、頼んでない!探してほしい、も心配して、も頼んでない!それに元はと言えば大輝がっ!」
「俺が何だよ。」
「いいよ!浮気でも何でもしてやる!天龍も青龍も大ッ嫌い!華も副総長も辞めてやるっ!」
パンッと乾いた音が響いた。
頬がジンジンする。
「ただの強がりだろうが!頼んでないとか知らねぇよ!頼まれてねぇよ!それでもお前を探してる俺達はお前の仲間じゃねぇのか!」
「ボクが弱いから探すの?ボク...弱いから。ボクが辞めたら闇討ちだってなくなる。ボクが弱いから....全部ボクが弱いから....。」
「違う!」
「ボクがパパのケリをつける。邪魔はしないで。」
倉庫を出て死鬼の倉庫に行き半分倒してあたしまで倒れてしまった。
バァンッ
「ゲホッ」
「華、何一人で動いてるんッスか。」
「副総長ともあろう奴があんなヘボい奴に倒されてどうするんですか。」
青龍と天龍だった。
「お嬢、馬鹿ですか。」
組員だって同盟組だっていた。
「頼れって言ったじゃねぇか。」
「今回の事も頼まれてねぇよ?」
あたしは立った。フラフラになりながら。

でも、一人で戦っていたらよかった....。
数時間がたって銃口はあたしに向いていた。
バンッて撃たれたのにあたしに降ってきたのは血と大輝自身だった。
「大輝っ?!」
「羽瑠姫....俺、羽瑠姫の事守れた?」
「うんっ!ありがとうっ!でも何で庇ったの?!」
「羽瑠姫、愛してるよ....。」
「大輝っ!」 
「羽瑠姫は?」
「大輝、愛してるよ...。死なないって言ったじゃん。ねぇ、何で?大輝?」
「天龍はお前に任せるからな?」
「大輝っ!」

病院に行って外にいたんだ。
「羽瑠姫」
「ねぇ、侑斗...大輝は?大輝はどこにいるの?」
「いないです...。」
「侑斗、何で嘘つくの?大輝はボクの側にいつも居てくれたんだよ?!」
侑斗は何も言わずに抱きしめてくれた。
その温もりが悲しくて、涙が出た。
「ボクのせいだっ!大輝がいないのはボクのせいだっ!」
「違います。羽瑠姫の所為じゃないですから。」
「うわぁぁぁぁっっ!!!!!!」
それから記憶がなくなって気づけば’あたし’が生まれていたんだ。