春雪は何も言わずに、薄い笑みを浮かべている。
私が悔しくて下唇をかんでいると、電話が鳴った。
母親は、
「ちょっと待っていてください」
と言い残し、電話のほうへかけていった。
私がうつむきながら、靴を脱いでいると、頭に何かがひらりとのった。
それはとても温かく、柔らかで、懐かしい記憶を呼び起こした。
春雪の、手、だった。
春雪は手で私の頭をぽんぽんと2回叩くと、
「明日、学校案内してくれよ、学級委員長さん」
私が驚いて、顔を上げると、春雪は人懐っこい笑みを浮かべた。
思わず赤面する。
ああ、この人はあの頃と何も変わっていない。
私の心の痛みを感じ取り、癒し、慰めてくれる。
ただ、私を覚えていない、それだけ。
でも、それだけのことが、とても悲しかった。
私が悔しくて下唇をかんでいると、電話が鳴った。
母親は、
「ちょっと待っていてください」
と言い残し、電話のほうへかけていった。
私がうつむきながら、靴を脱いでいると、頭に何かがひらりとのった。
それはとても温かく、柔らかで、懐かしい記憶を呼び起こした。
春雪の、手、だった。
春雪は手で私の頭をぽんぽんと2回叩くと、
「明日、学校案内してくれよ、学級委員長さん」
私が驚いて、顔を上げると、春雪は人懐っこい笑みを浮かべた。
思わず赤面する。
ああ、この人はあの頃と何も変わっていない。
私の心の痛みを感じ取り、癒し、慰めてくれる。
ただ、私を覚えていない、それだけ。
でも、それだけのことが、とても悲しかった。

