ゆっくり私たちは歩いた。
会話はない。
私は必要以上に緊張して、口が乾き、喉もざらざらしている。
学校の前のバス停に着くと、私は、
「私、行きは電車なんですけど、帰りはバスなので。ありがとうございました」
「いや、いいよ。それに俺もこのバスだから」
内心気まずいよなぁ、と思ったけれど、どうしようもなかった。
嬉しいような気持ちも、しないでもなかったし。
私はバスの前の席。
春雪は一番後ろの席に座った。
背中に春雪の視線を浴びているような気がして、とても緊張した。
勘違いに過ぎないとは思うけれど。
バスは静かに走った。
雨の雫が窓に当たっては流れた。
大通りから外れた、小さな道を入っていく。
学校から6つ目のバス停の前で私はいつも降りる。
バス停と家は目と鼻の先だ。
バス停についた。
私が、降りるボタンを押そうとしたら、誰かに先を越された。
こんなところで降りる人が他にもいるなんて。
普段はめったに降りないのに。
私は疑問に思った。
でもかまわず、なるべく春雪のほうに目を向けず、バスを降りた。
まだ雨が降っている。
すると、後ろから誰かが傘をさしかけた。
会話はない。
私は必要以上に緊張して、口が乾き、喉もざらざらしている。
学校の前のバス停に着くと、私は、
「私、行きは電車なんですけど、帰りはバスなので。ありがとうございました」
「いや、いいよ。それに俺もこのバスだから」
内心気まずいよなぁ、と思ったけれど、どうしようもなかった。
嬉しいような気持ちも、しないでもなかったし。
私はバスの前の席。
春雪は一番後ろの席に座った。
背中に春雪の視線を浴びているような気がして、とても緊張した。
勘違いに過ぎないとは思うけれど。
バスは静かに走った。
雨の雫が窓に当たっては流れた。
大通りから外れた、小さな道を入っていく。
学校から6つ目のバス停の前で私はいつも降りる。
バス停と家は目と鼻の先だ。
バス停についた。
私が、降りるボタンを押そうとしたら、誰かに先を越された。
こんなところで降りる人が他にもいるなんて。
普段はめったに降りないのに。
私は疑問に思った。
でもかまわず、なるべく春雪のほうに目を向けず、バスを降りた。
まだ雨が降っている。
すると、後ろから誰かが傘をさしかけた。

