「でもクマできてるよ」
「それは若くても寝不足すればクマぐらいできますよ」
私たちはしゃべりながら歩いていると、校庭の一角がざわついているのが目に飛び込んできた。
視線をそちらに移す。
生徒や、教師、みんな息を飲んでそれを見ていた。
「きれい…」
紅が思わずつぶやく。
それは私と紅が徹夜して、桜の枝につけた色とりどりのリボンだった。
暗がりではあまりよくわからなかったけれど、こうして明るいところで見ると、なかなかのものだった。
「なんだか、自分たちがやったこととは思えないね」
生徒の中には携帯で写真を撮っている生徒もいた。
そして、人ごみの中に、私は春雪の姿を見つけた。
春雪はただ、黙って桜の木を見つめていた。
ハル、これが私の答えだよ。
ずっと、ずっとそばにいたいから。
ずっと、ずっとよろしくね。
たとえ、家族を捨ててでも、私はあなたから離れない。
だから、この気持ちを受け取って。
私が紅と桜の木から少し離れたところから眺めていると、春雪が振り返った。
そして視線が私たちを捉えると、柔らかく微笑んでから口を動かした。
「夏の桜みたいだ」
「それは若くても寝不足すればクマぐらいできますよ」
私たちはしゃべりながら歩いていると、校庭の一角がざわついているのが目に飛び込んできた。
視線をそちらに移す。
生徒や、教師、みんな息を飲んでそれを見ていた。
「きれい…」
紅が思わずつぶやく。
それは私と紅が徹夜して、桜の枝につけた色とりどりのリボンだった。
暗がりではあまりよくわからなかったけれど、こうして明るいところで見ると、なかなかのものだった。
「なんだか、自分たちがやったこととは思えないね」
生徒の中には携帯で写真を撮っている生徒もいた。
そして、人ごみの中に、私は春雪の姿を見つけた。
春雪はただ、黙って桜の木を見つめていた。
ハル、これが私の答えだよ。
ずっと、ずっとそばにいたいから。
ずっと、ずっとよろしくね。
たとえ、家族を捨ててでも、私はあなたから離れない。
だから、この気持ちを受け取って。
私が紅と桜の木から少し離れたところから眺めていると、春雪が振り返った。
そして視線が私たちを捉えると、柔らかく微笑んでから口を動かした。
「夏の桜みたいだ」

