「ちょ、ちょっといろは。なんでそんなに軽々登ってるわけ?!」
するすると蜥蜴のように木に登る私を見て、恨めしそうに紅は言う。
私はにやりと笑うと、
「キャリアの違いでしょ」
と、どんどん太い枝に向かって登り進めていく。
紅はくっそー、と言いながらローファーを脱ぎ捨て、一生懸命登ってくる。
「やったー、一番乗り!」
私が一番太くて安定した枝にたどり着くと、紅は、
「ったく、いろはは野性的なんだから」
「何か言った?」
「いえ、何も」
私は枝の上から空を仰いだ。
空にはちぎれた雲が浮かんでいて、その雲の間から月光が照らしていた。
その神秘的な光景に涙が出そうなほど、感動してしまって。
目から、もう涸れたはずの涙が溢れてきた。
ハル、私、ここにいるよ。
まだ、ハルのこと、思っているよ。
ハルも、私を思ってくれている、そう信じて、いいんだよね?
やっとのことで私の元まできた紅は、
「あー、本当に疲れた。飴玉一個じゃ力出ないって」
私はその言葉を聞いて、鞄の中から、おにぎりを取り出した。
ここに来る前にコンビニで買ったおにぎりだった。
「お腹空いてるなら、これあげる」
するすると蜥蜴のように木に登る私を見て、恨めしそうに紅は言う。
私はにやりと笑うと、
「キャリアの違いでしょ」
と、どんどん太い枝に向かって登り進めていく。
紅はくっそー、と言いながらローファーを脱ぎ捨て、一生懸命登ってくる。
「やったー、一番乗り!」
私が一番太くて安定した枝にたどり着くと、紅は、
「ったく、いろはは野性的なんだから」
「何か言った?」
「いえ、何も」
私は枝の上から空を仰いだ。
空にはちぎれた雲が浮かんでいて、その雲の間から月光が照らしていた。
その神秘的な光景に涙が出そうなほど、感動してしまって。
目から、もう涸れたはずの涙が溢れてきた。
ハル、私、ここにいるよ。
まだ、ハルのこと、思っているよ。
ハルも、私を思ってくれている、そう信じて、いいんだよね?
やっとのことで私の元まできた紅は、
「あー、本当に疲れた。飴玉一個じゃ力出ないって」
私はその言葉を聞いて、鞄の中から、おにぎりを取り出した。
ここに来る前にコンビニで買ったおにぎりだった。
「お腹空いてるなら、これあげる」

