駅でひとりぼっちはツライから、自分の家の最寄へ向かう電車に乗った。
電車に揺られながら今日のことを考えていた。
学校で普通になんて出来るわけないじゃん。
美加子はまだ全然割り切れそうにないよ。
最寄駅に着いた時は夜の21時を回っていた。
駅前はさすがに人が多い。
家族連れとか酔っ払いとか様々。
早く帰ろ。
歩いていると道路のガードレールに寄りかかる2人組の片方の男の人と目が合ってしまった。
「ねぇねぇー!可愛いねぇ〜。これからどこ行くの?」
駅前はこういう風に声をかけられることが多い。
だから無視して早歩き。
「ちょっとちょっと〜。奢るからどっか行かない?カラオケとかさ」
男2人に挟まれながら歩くけど、美加子のスピードなんてそんなに早くなくて振り切れない。
片方の男が肩を掴んできた。
びっくりして声を上げそうになったけど
反応したら負け。無表情にドライにしなきゃ。
「とりあえず止まろ!止まって話そう」
絶っったいに止まるもんか!
「ナナっ!知らない男連れて何やってんの?」
は...?ナナ?
後ろから聞こえた声に目だけを向けると
美加子の肩を掴んでた男の手を掴んでる
知らない、また男。
「妹になんか用?あんたら」
その人は笑顔で男2人にそう言うと、男達は舌打ちをして来た道を戻っていった。
美加子に兄はいない。
この人助けてくれたの?もしかして。
