「あ、俺昼休みに健二に呼び出しくらってたんだ。行くね」
重い空気を断ち切ったのは、折原君だった。
折原君が校舎の方へ歩いて見えなくなった頃、まるで喋るなって言われてたのを解かれたように夏葉と伶太は『はぁ〜』と脱力した。
「ねぇ、なんか私変なこと言った?」
「...言っていいのかな...でも、もう終わったことだし」
夏葉がブツブツと考えている。
伶太を見ると目をキョロキョロして何かを隠そうとしているように感じる。
「この事、彰人には内緒にしてね...。髙橋やよいは彰人の元カノなの」
「もと..カノ...?」
「同時に彰人と伶太のもう一人の幼馴染。こないだの勉強会で見た写真の子」
京華さんが見せてくれたアルバムの写真が頭に思い出される。
折原君と伶太と女の子が腕を組んで仲良さそうな写真。
『やよいちゃんって言うんだけど、2人共知らないかしら?』
やよいちゃん。
《 髙橋やよい》
折原君のもう一人の幼馴染で
元カノ ───────
