「じゃあご飯途中だし戻ろっか。羽崎さん待ってるし」
夏葉をチラッと見るとケータイをいじっている。
「うん。本当にありがとう。えっと...委員会とかでよろしくね。髙橋さん」
「やよいでいいよ。美月ちゃん♪」
笑うと本当に可愛いなこの子。
私、クラスが離れてるとはいえ、同じ委員会なのに、知らなかったとか失礼すぎる...。
1組のクラス委員さんか...。
もう友達になれたのかな?
可愛くていい子だし、これから仲良くなれたらいいな。
夏葉の元に戻ると、いつの間に来たのか折原君と伶太が向かいのベンチに座っていた。
「あ、おっかえりー!美月」
「ただいま。って、ちょっと何で2人がいるの?」
「俺達も中庭で飯食ってたんだ。そしたら夏葉に呼ばれて」
さっき、ケータイをいじっていたのは伶太を呼んでたのか...。
「んで?咲宮、田中に告られたんだろ?付き合うの?」
伶太は興味津々って感じで聞いてくる。
折原君は黙って私を見る。
付き合うわけない。
私が好きなのは折原君なんだから。
二人は私の気持ち知らないし、伶太は夏葉みたいに気付いてないみたい。
でも折原君の前なのに〜!
てか、そもそも告られてないし!
「告られてなんかないよ。テストの回答用紙を見せて欲しいってしつこく言われて...あ、そしたら1組の髙橋さんが助けてくれて」
私の言葉に『なんだそれ〜』って夏葉か伶太が言うと思ったのに黙って誰も何も言わない。
「え...何、3人ともどうしたの?」
「...美月、やよいと面識あったの?」
「ううん、同じ委員会だったみたいなんだけど私気付いてなくて、本当視野狭いよね〜」
あれれ、なんだこの空気。
