昇降口入ってすぐ横の生徒ホール。
やっぱり沢山の生徒たちが溢れかえっている。
この緊張はクラス替えの発表を見る時に似ている。
「あーどーしよお。普段は緊張なんてしないのに受験かかってるとこんなにヒヤヒヤするんだね!」
「違うよ。夏葉今回すごく頑張ったから緊張するんだよ」
やっと、紙が見える所まで来た。
顔を上げるとすぐに自分の名前を見つける事が出来た。
「あ!美月!1番じゃん!!」
夏葉の指差す方向。
私の名前の上には何もない。
「...1位...」
「すごい!すごすぎるよ美月!」
お父さんに認めてもらいたくて必死に勉強した。
私はもっと出来るって証明したかった。
初めてとった1ばん。
嬉しくて泣きそうだ。
「ねぇ、美月!私、100番入った!」
「え、うそ!」
私の学年は40人×7クラスで平均取るなら
140位までに居なきゃいけない。
それをぐんと越して、100位。
夏葉も、こんなに努力してた。
2人できゃっきゃとはしゃいでいると、予鈴が鳴ったので階段を上って教室に向かった。
緊張がパッとなくなって今は嬉しい気持ちで一杯だ。
