きっと折原君のケータイには私以外の女の子のアドレスも沢山あるんだろうけど、聞いてきてくれたこと、メールしてよって言ってもらえたことが嬉しい。
「じゃあ、今日はありがと」
暗い道を歩いていく彼の姿を見えなくなるまで見ていた。
その間はドキドキしっぱなしで。
もう一度、ケータイを開き電話帳の名前を確認しては口元が緩む。
今日...すごくあっという間だった。
もうすぐに、会いたくなってる。
今日、勉強会で折原君の家に行って、また知らなかった彼を知った気がする。
前よりも近づけた気がする。
他にはどんな顔をするのかな。
どんな物が好きなのかな。
どんな人が好きなのかな。
今までこんなこと考えたことなかったのに、最近おかしい。
将来の夢に向かって勉強も頑張ろうって思う。
ふとした少しのことが嬉しい。
全部全部、あなたのせいです。
あなたに出会ったせいです。
曖昧だったパズルのピースが全部揃った。この問題の答え。
折原君を好きになったからです。
