「折原君てさ、小さい時今の奏多君にそっくりだよね」
「えっ!!」
私の言葉に少し大きな声をあげて、そして、街灯のおかげで分かったけど、顔も少し赤かった。
それを隠すように左手で顔を覆った。
「...もーアルバム見られんのほんとやだ」
恥ずかしいのかな?
「あ、でもそんなに見てないよ。幼馴染の女の子の話ししてたら折原君帰ってきたから」
「幼馴染?」
「京華さんが言ってたんだけど、伶太以外にも幼馴染がいるって。お人形みたいに可愛い子だったなぁ」
「...あぁ...幼馴染っていうか家が近所だっただけ」
過去形?ってことは引っ越して転校したのかな?
仲良さそうだったし、幼馴染なら伶太みたいに今でも一緒にいるはずだから。
「そうだ。咲宮ってケータイ持ってる?」
「あ、うん。持ってる」
「よし、連絡先交換しよ」
折原君はポケットからケータイを取り出した。
「こないだ咲宮が休んだ時メールしようかと思ったんだけどアドレス知らないのに気付いてさ」
...メールしてくれるまで心配してくれたんだ。
赤外線受信が終わって電話帳の中に《折原彰人》の名前がある。
「...私...学校の人とメールするの夏葉くらいで。これからは、折原君にもメールしていいですか...」
文字に嬉しくなってつい、口を滑らした。私ってば何を言ってるんだ!
「ん!これからは沢山メールしてよ!そのために交換したんだし!」
折原君は笑顔でそう言った。
きっと、今の私は顔が赤い。
街灯が当たらないからバレてない。
