顔を上げると折原君がアルバムを閉じて抱き抱え、顔を赤くしていた。
「母さんなに人のアルバム勝手に見してんだよ!」
「ちぇっ、思ったより早かったわね。今日はここまでか」
15分。なんて言ってたのに5分くらいで戻ってきてしまった。京華さんにとっては計算外だろう。
ちなみに割と大きな声を出したのに伶太はソファーで爆睡している。
こんなに焦っている折原君は初めて見た。
「最悪...2人に見られた...」
「何言ってんの、減るもんじゃないじゃーん」
夏葉は笑いながら落ち込んだ折原君の背中をバシバシと叩く。
さっきまでは、焦った顔してたのに。
もうちょっとアルバムを見たかったな。
私の知らない折原君が居たから。
それに、伶太以外の折原君の幼なじみの女の子の事が少し気になったから。
お人形みたいで可愛い女の子だった。
