1ページ目には、学校の前で撮られた入学式の写真。
門の前の《入学式》と大きく書かれた看板の横にピースをしているランドセルを背負った男の子2人。
「きゃああ〜♡伶太かっわいぃ〜!」
夏葉はポケットからケータイを取り出して写真を撮った。
今よりもカナリ幼い伶太だけど、笑った顔は一緒。
折原君は今日1日一緒にいた奏多君そのものだった。
ペラペラとアルバムがめくられる。
公園や家で撮った写真が多いけれど、サッカーの服を着た折原君が沢山写っていた。
「彰人も伶太も小学生になると同時にサッカーを始めたの」
小さなメダルを首にかけてピースしてたり、負けちゃったのか泣いてたり、誕生日ケーキを食べてたり...
京華さんが言ってた通り伶太も沢山写っている。
やっぱり二人共笑った顔は変わらない。
「あ、まただ。この女の子3年生くらいから沢山写ってませんか?」
夏葉が指差したのは、右に折原君。左に伶太。2人の腕を組んで真ん中で笑っている可愛い女の子の写真。
目がクリクリしてて、短い前髪。
確かに、言われてみればさっきも見かけたかも。
次のページには、折原君と2人でお昼寝している写真もあった。
「この子はね2人の幼なじみなのよ。中学生になるくらいまでは、3人でよく遊んでたわ」
幼なじみ...?
2人にそんな存在が居たんだ。
まぁ、知らなくて当然か。
でも、今はそんな子見当たらないし、違う中学校に通ってるのかな?
「やよいちゃんって言うんだけど、2人共知らないかしら?」
やよいちゃん...。
私は2人と仲良くなってからまだ日が浅いから聞いたことない。
夏葉は知ってるかな?
夏葉を見ると、何か気付いたように焦ったような顔をしていた。
「京華さん、その子の苗字って──」
「あーー!ちょ!なにやってんの!」
夏葉の言葉を遮った大きな声と共にアルバムが視界から消えた。
