「自慢の娘さんね。お母様が羨ましいわ」
「え...」
「料理もできて、頭も良くて、ちゃんとしてて可愛くて。私が娘にしたいくらいだもの。会うことが出来ないのが残念だけど、きっと見ててくれてるわ」
京華さんの言葉に涙腺が緩んで泣きそうになる。
嬉しいとの同時にお母さんの事を思い出したから。
お母さんが死んじゃってから1人でしっかりしなくちゃいけなくて、でも報われなくて、お父さんとも上手く接することが出来なくて...
本当は寂しかった。
いつもお母さんに会いたかった。
私のこと、天国で見てくれてる?
「こんなしっかりした美月ちゃんのお母様はきっと素敵は人だったんでしょうね」
「はい...本当に」
涙が落ちたから、気づかれないように俯きながら野菜を切った。
