R e : Y o u


そうして、勉強会がスタートした。



奏多君は言われた通り邪魔をしないようにソファーに座って本を読んだり、私たちの横で絵を描いたり、ちゃんと静かにしてた。


男の子だったら本当は外で遊びたいはずだけど、まだ1人じゃ危ないもんね。


流石、折原君の弟さん。いい子だな。




...それに比べて



「だぁー!グルグルするー!XとYになんでこんなに数字が引っ付くの〜泣」


「何で昔の奴ら皆、出来事に名前付けたがるんだよ〜、平和に暮らそうぜ」



こっちのおバカ2人はこの有様だ。

伶太にしちゃ何で皆が数学やってる時に歴史やってるんだろう...。



「咲宮、ちょっとここなんだけど」


「は、はいっ!」



いきなり隣に座ってた折原君の顔が近付くからビックリした。



「この解が何回やっても合わなくて」


「あ、この問題は難しい応用だから間違えやすいの。この式までは合ってるからここから...これを解いて代入して」



「なるほど!こっちか!よく分かった。さすが咲宮、教えるのめちゃくちゃ上手いね」


褒められたっ。


「私には美月が何言ってるのか理解すら出来なかったよ...」


目の前でシャーペンを持ちながら今にも泣きそうな夏葉。
グルグルしてるけど、大丈夫なのかな?


「でも、夏葉ほとんど合ってるよ?ゆっくり考えてちゃんと解けば出来る♪」


「本当にっ!?やった!」




それから何回か休憩を挟みながらも、夕方まで勉強出来た。


夏葉はかなり頑張ってたと思う。
私も後半は自分のことを終わらせて夏葉にワンツーマンで教えてたから。

ちょこちょこ伶太にも教えたりして、折原君も自分の勉強をしながら手伝ってくれた。