「少しは伶太も危機感持ちなさいよ!昨日の先生に言われたこと忘れたの!?」
もしかして、伶太も同じこと言われた?
「大丈夫だって。俺には彰人がついてるもん☆」
隣の折原君の肩を組み右手でピースをする。
それを横目で見てため息をつく折原君。
「何をー!私だって超優秀の美月がいるもん!」
なんの対抗心なのそれ。
「お前ら少しは自分で勉強しようとか思わないわけ?学年上位の咲宮だって忙しいだろ」
うちの学校はテストのたびに総合結果が張り出されることになっている。
だから、誰が何位とか分かってしまう。
私はいつも割と上位を取れていた。
今回は、受験のこともお父さんのことも含めてトップを取りたいって思ってた。
折原君...私が上位って知っててくれたんだ。嬉しい。
「とか言いつつ、彰人だっていつも10番以内には入ってんじゃん」
え!そーだったの!?
「あ!そうだ!美月も彰人も頭いいし、土曜日皆で勉強会しよ!彰人がいればそしたら美月の負担も減るし!」
べっ、勉強会っ!?皆で!?
「おお、良い案じゃん!試験一週間前だから俺らも部活ないし。場所は彰人ん家でいっか」
夏葉の案に伶太が乗る。
「おい勝手に決めんなよ。俺はともかく咲宮」
4人とはいえ、夏葉も伶太もやる気になってるし、ここで私が断ったらきっとダメだよね。
それに、休日にも折原君に会える...。
そう思った時には私は首を縦に振っていた。
