R e : Y o u


「それ、出さなかったの?」


それとは私の手にある進路希望調査表のことだ。



「親のハンコがなくて、出さなくていいって。あ、でも受け取ってもらえなかった訳じゃなくて...」



藤田先生は私の意思を分かってくれた。
提出しなくていいって言ったのは、説得できた時に受け取るという意味があると思うから。




「私この事、親に反対されてるから、これから説得しないといけなくて」


「じゃあこれ頑張っていい成績取らないとな!」


折原君は持っていたプリントを見ながら言った。

そっか、テストでいい成績取れれば、もっと勉強出来るって証明出来るかも。



「でもあんまり無理すんなよ?また体調崩すし」


「うん、頑張る」



今まで自分の夢の事、夏葉にしか話した事なかったけど、折原君と藤田先生に話してよかった。


折原君はお互い一緒に頑張ろうって言ってくれた。

先生は説得を手伝うって言ってくれた。


形には残らなくても応援されるだけでこんなにラクになる。



今やるべきこと

中間テスト...頑張ろう!



教室に戻って、夏葉とお昼ご飯を食べて5限目の準備をしてた時。



「美月、今日って空いてる?」


「えっと...うん!空いてるよ」


「ホント?やったぁ!じゃあ久しぶりに美月の家行ってもいい?ゆっくり話したい事もあるんだ♪」



美加子が家に来るのは久しぶり。
2年生の時に何度か遊んで仲は良かった。でも夏葉がズバ抜けて来る頻度が高いから違う人が来ると少し違和感があるんだよなぁ。



ゆっくり話したいことってなんだろう。


そんな事を考えながら授業を受けて、今日は美加子と帰るからって夏葉に伝えて学校から美加子と家に向かった。