R e : Y o u


夏葉との待ち合わせ場所に行くと彼女はもうそこに着いていて、私に気付くと、笑顔で大きく手を振った。




「もう大丈夫なのっ?」


「うん、おかげさまで。ありがとう。色々買ってきて貰っちゃって」


冷蔵庫にあったゼリーは今朝食べた。



「あ、私は薬だけで!お見舞い行くなら何か買おうって彰人が。伶太は風邪ならみかんだーとか言って買ってたけど」


夏葉はクスクス笑いながら教えてくれた。伶太は来てくれたけど、結局会えなかったからみかんのお礼言わなきゃ。



「でも夏葉何で先に帰っちゃったの?起きたら...折原君がいてビックリしたんだよ」


「美月が倒れるから私も焦っちゃってさぁ。そしたら彰人がすごく冷静で。しっかりしてるから任せちゃったんだ〜。伶太が、いたらうるさいし。って、怒ってる...?」


「怒ってないよ」




すごく驚いた。

でも、夏葉がそうしてくれなかったら、今日こんなにスッキリした気持ちになれてなかったよね。


ビックリはしたけど、少しありがとうって思っとこう。



「...折原君って本当にいい人だよね」



「お?もしかして、なんかあったの?ラブ的なこと!」


え、またそれっ?



「あっ、あるわけないじゃん!私、病人だったんだよっ!?」



「そっかぁ〜。でも彰人皆に優しいし、結構モテるんだよねぇ」



うん、知ってる。
美加子も言ってたし、私も何度もこの目でその人気っぷりを見てるから。

クラス委員決める時とか。




だから、きっと折原君を好きになった子は辛い恋の始まりなんだろうな。


折原君ってどんな人を好きになるんだろう。




...って、夏葉が変なこと言うから変なこと考えちゃった。








学校に着いて、6組の教室の前の廊下で折原君と伶太が話しているのを見つけた。



「あ、おっはよーお二人さん!咲宮復活したか!」


「うん。伶太も折原君も昨日はありがとう」



「よし、じゃあ私達教室行くね〜!」



夏葉が伶太の腕をガシッと掴んで引っ張っていく。


教室に入る前に私の方を向いて口パクで
『頑張って』とウインクまでしてきた。


やっぱり、夏葉は少し昨日のもラブ的なことになるように企んでたのかもしれない。