「ここ来る前に冷えピタと、スポドリとかゼリーとか軽く食べれるもの買って来た。あと、咲宮が起きる前に勝手にキッチン借りてお粥作っちゃったんだけど...食べれそう?」
「うん、食べたい」
「よし、じゃあ持ってくるから待ってて」
何から何まで...やって頂いてる!
本当はリビングに人をあんまり入れたくなかったけど、仕方ないよね。
夏葉は事情を知ってるから大丈夫だけど
折原君、あの生活感のないリビングを見てどう思ったかな。
しばらくしてお盆を持った折原君が入って来た。器に盛られたお粥。少しいい香りがする。
スプーンでとって冷まして口に運ぶと、温かいものが喉を通る感じがして体まで温まる気がした。
卵と細かい野菜が入ってて、お粥っぽくなくて美味しい。
「...美味しい。すごく。折原君、料理上手なんだね」
「料理上手ではないけど、これだけは得意で。折原家特製粥。俺、弟がいるから熱出した時はいつもこれなんだ」
「へぇ、弟さんいるんだ。何年生?」
「いやまだ5歳で」
「5歳!?えっと...私達が今14歳だから...9個違い!」
9個も離れた弟さんがいるなんて。
どうりでこんなに大人っぽくて、しっかりしてるわけだ。
私は一人っ子だからちょっと羨ましいかも。もし、キョウダイがいたら寂しくないもん。
