暖かい。
目を開けると、大きな瞳が私をとらえている。私の手に掴まれた腕。
「...びっ..くりした...」
目を大きく開く折原君の腕をがっしりと掴んでる。
たぶん感じからして現実。
ここは私の部屋。
「っきゃぁぁあ!!」
気付いたらそう叫んで布団の中に潜っていた。
な、ななななんで!!
折原君がここにいるの!?夏葉は!?
てか、私なんでまた寝てるの!?
色々考えすぎて頭がガンガンする!!
「さ、咲宮...?ごめん、落ち着いて」
折原君がそう言ったから私は失礼ながらも頭だけ布団から出した。
私の顔を見てちょっと安心したように折原君は少し笑った。
「よかった。いきなり倒れるからビックリした。気持ち悪かったりしない?水飲める?」
頭は痛いけど、気持ち悪さはないかも。
あれ、おでこに冷えピタが貼ってある。
私は体を起こして布団をかけた状態で、折原君から渡された水を飲んだ。
水は常温で飲みやすかった。
そういえば、朝起きてから何も口にしてないっけ。
「驚かしてごめんな。羽崎と伶太と一緒にお見舞いに来たんだけど、2人は...帰っちゃって」
えっ、じゃあ今折原君だけ!?
夏葉はなんで帰っちゃったのよぉ!
「あ、てか部活は...」
「今日は雨で中止」
「そっか...」
そういえば、落ち着いたら雨のザーッて音が聞こえる。
