『...グス...ううっ...』
あぁ、またかこの夢か。
子供の私が泣いてる。
一体なんで泣いてるの。
どうせ近付けないんだから分かるわけないんだけど。
「え....」
今まで《私》を見ていたから気づかなかったけど、《私》の前を背を向けて歩く人影。
あれは誰?
スーツ...お父さん?
「...お父さん!!」
人影は止まる。
振り向く。やっぱりお父さんだ。
でもすぐにまた歩き出した。
さっきまで《私》に近付けなかったのに足が動いた。
走れる。
「お父さん!!待って!!」
必死に走って叫んでるのに、歩いてるお父さんがどんどん離れてく。
教えてよ。どうしたらいいの?
お父さん止まってよ...!!
伸ばした手が何かを掴んだ。
