重い体を起こして、机の上の時計を見ると3時半前になっていた。
そんなに時間が経ったんだ。
ーピンポーン...
...夏葉かな?
椅子にかけてあったパーカーを羽織って
玄関のドア穴を覗くとやっぱり夏葉だった。
ドアを開けると冷たい風が足元に流れる。雨のにおいがする。
「美月!顔色悪っ!」
「大丈夫だよ。寝てれば治るって」
あれ、なんか...気持ち悪いかも...。
夏葉が何か言ってるけど、耳が詰まってる感じで聞こえない。
目の前の夏葉がぼやけていく。
ブツンとテレビの電源が切れたように私の視界は真っ暗になった。
