今日は委員会。
こんな日に限って委員会。
「咲宮、委員会一緒に行こう」
「っはいっ!」
折角、折原君が一緒に行こうって言ってくれても素直に喜べない。
だって、これから向かう先は戦場だからです…!
先に折原君が教室に入って、私が次に入ると1番前に座っていた高橋さんと田中君、両方と目が合った。
高橋さんは可愛らしい笑顔で手を振って
田中君はクールな顔で頭をペコッと下げた。
なんでよりによってあの2人がセットなんだ。
私は、引きつり笑いしか出来なくて席に着いた。
まだクラスが離れていて席も前側と後ろ側でよかった。
私が席に着くと同時に担当の先生が入ってきて委員会が始まった。
「こないだは時間もあまりなくて年間の流れの説明だけで終わってしまったので今日は言ってあった通り役職をきめます。じゃあ最初に…委員長から」
「はーいっ!」
手を挙げたのは伶太だった。
「折原君がいいと思います♪」
…まぁそーなるよね。
「なんで俺!」
「ほら、彰人しっかりしてるし〜」
委員長って役職。
皆の中心。
クラス委員の委員長って生徒会の次くらいに偉いんじゃ…。
「他に立候補とかも無いようだし、折原君やってくれないかしら?代わりに上野君を副委員長とかにしていいから」
「ええっ!先生鬼っ!」
「じゃあそれで」
すんなりと委員長と副委員長が決まってしまった。
「あ〜あ、失敗したな〜。じゃあ書記は咲宮あたりでいっとく?」
「っえ!」
「あ、俺もそれでいいと思う」
伶太の提案に折原君が賛成する。
幹部3人で出来たら楽しそうだけど…
「私、書記やります」
前を向いたまま手を挙げたのは1組のクラス委員。1番前の席に座っている高橋さんだった。
「あら、じゃあ高橋さんお願いします」
周りの拍手。
立候補で、すぐに決まってしまった。
「じゃあ、幹部3人は前に出て一言〜」
ここに居て感じた。
私もビックリしてるけどきっと、折原君と伶太の方がビックリしている。
2人の間で空気感が変わった。
「彰人、行くぞ」
「…おう」
皆んな前に立つ3人。
そこに私の姿はない。
こんな形で幼馴染の3人が揃うなんて。
見てた限り、昔のように2人とは仲が良いとは言えない状況でなんで立候補…。
委員長から一言が始まる。
それを聞きながらも前の席の子たちのヒソヒソ話が聞こえる。
「すごいメンツが揃ったね」
「彰人にとっちゃ天国と地獄だな。親友と元カノ」
地獄…。
やっぱり2人の別れた原因ってそんなにやばいのかな。
