『笑って?』『大丈夫…一人じゃないよ』



「冴沼が自主退学しました」

どういうこと?

ザワザワザワザワザワザワ

昨日まであんなに楽しかったのに

梨琉が……

自主退学?

今までそんな素振り見せたこと

『それよりさ土日一緒に
出掛けよう?二人で』

『友達みんなでお泊まりしたことは
あるけど亜香里とはないでしょ?
亜香里と二人で行ってみたかったんだ
亜香里が気に入るといいな~』

『亜香里…勘が鋭いのは
嫌いじゃないけど
好きでもないよ』

『私から別れを切り出すのは
あまり好きじゃないんだけどね~
別れた方が相手のためって
思ったんだ~』

『例え嫌だって思っても
生きてるものはいつか別れが
来るものだからね~』

『ねぇ…亜香里』

『コレさ来週の月曜日
ポストに入れるから
ちゃんと見てね?
亜香里は白色だから』

……来週の月曜日……

今日…月曜日…

「先生!」

「何だ?」

「…早退してもいいですか?」

「…本当は駄目なんだ
だが、冴沼が校長に
許可を貰ったらしい」

許可?

「もし、早退してもいいですか?
って聞く生徒がいたら
早退させてくれませんか?
って校長に聞いたそうだ」

梨琉は分かってたんだ
私が言うのを

「校長は許可をした」

それを聞いた途端私は
走った

だから聞こえなかった

「その代わり早退した生徒は
次のテストで平均点以上
取ること」

この言葉を

「ハァ…ハァ…」

あった

_____________

亜香里へ

亜香里がこれを読んでるってことは
私亜香里の隣にいないって
ことだよね?

ごめんね?相談しなくて

私電車に乗って
遠い場所に行ってるんだ

もう亜香里に会うことは
この先ないと思う

だからね

亜香里今までありがとう

私はずっと亜香里のこと
親友だって思ってるから

亜香里は一人じゃないよ

純だっているしね

もう亜香里の

そばにいれなくなったけど

ずっと見守ってるから

あとね

紙があと三枚あると思うんだ

青色の手紙は純に

赤色の手紙はクラスのみんなに

水色の手紙は冴崎に

渡してほしいんだ

亜香里頼んだよ?

明後日に亜香里と純と
クラスのみんなと冴崎に
手紙をもう一枚送るから

明後日もう一度見てほしい

その時に
今まで言いたかったことが
書いてあるから

梨琉より

_____________

何これ…

「理由書いてないじゃん」

バカ梨琉

とりあえず渡しに行かないと

また走んないとダメじゃん

「亜香里」

「へ?」

「もう一人で突っ走って」

「置いてくなよ~」

「ご…ごめん」

「で?何で走ったの?」

「あっコレ」

「紙?」

「うん純は青
クラスのみんなは赤だって」

「その水色は?」

「冴崎だって」

「そうなんだ」

「声だして読むから」

「うん」

____________

クラスのみんなへ

退学すること
言わなくてごめんね?

詳しいことは明後日分かるから

もう会うことはないんだ

これはもう絶対

本当は高校入学してから
決まってたんだけどね

高校生活の間に
遠い場所に行くって

だけどみんなと出会えて
もう一年一緒にいたいな
あともう一年って

どんどん先延ばししてたら
こんな時期になっちゃった

笑い事じゃないよね

あとバカップルに
謝りたい事がある

一週間前病院の前で
会ったよね

あの時お母さんの
お見舞いって言ったけど

あれ嘘なんだ

ごめんね?

今までありがとう

みんな元気でね

梨琉より

____________


「……純のは?」

「亜香里のことよろしくだって」

「冴崎のは?」

「ごめんって」

「何が?」

「嘘ついて」

退学した理由が分からない

でも明後日の手紙がある

言いたかったことって

書いてあったから

きっと書いてあるよね