結局、
キスをせがまれたり、抱きつかれたりはしたもののうまく避け切った私は、
なんとか無事に翌朝を迎えることができた訳で。
「何も無かったからいいけどさ、普通見捨てるかなぁ。」
ホテルのレストランで4人で朝食を食べながら、昨日の友達の行動に結構ショックを受けていた私は、彼女にそう言った。
「……だって眠かったんだもん、
それに、山口くんが一緒に寝たそうだったから邪魔しない方がいいかなって。」
その返答に私は、
呆れて怒る気にもならなかった。
そして私はその時ようやく、この子とは程々の距離感を保っていくべきだ。と学習した。
「まぁいいじゃん、俺と一緒に寝れたんだから。」
「うん、黙ってよっか。」
そして東京までの道のりも、彼はずーーーっと密着してきた。
新幹線でも隣に座り、私に抱きつきながら爆睡した。
公共の場でもキスをせがみ続けた。
そう、
彼女がいるにも関わらず。
