高校一年生が終わり、春休みが始まった頃、

私は、4年間所属していた吹奏楽部を休部した。



理由は本当に情けないもので、
上に立って後輩たちを引っ張れる自信が無かったからだ。


中高一貫校である私の学校では、引退まで、クラブ活動に必ず所属しなくてはならなくて、
何もわからず入ったこの部活。

中学生時代、クラスにうまく馴染めなかった私にとっては、唯一の学校に行く理由だったのかもしれない。


そんな私は、くだらない理由で大切だったはずの部活を簡単に捨てて、
辞めるか否やを悩んだ末に、とりあえず春休み中の休部で落ち着いたのだ。



そして、恋になんか目もくれず、友達とばかりはしゃぎ、部活ばかりしていた私にとっては、
とても重大な出来事がやってくる。