老いたる源氏は、
「それ見ろ、薫の化けの皮がはがれてきたぞ」

すかさず柏木は、
「いえいえ、薫は慎重ですからご安心を」

二人は天空の暗闇から今にも落ちこぼれそうに薫の成り行きを窺っています。

翌日薫の君は山籠もりの宮と僧のために絹、綿、袈裟、衣を山へ。