そこに同じく冥府をさまよっている柏木の声がかぶさってきます。
「私の血筋に似合わずなんと仏道心が篤いことよ」
「柏木か?今に見ておれ。薫が煩悩でのたうち回る姿を」
「そうはさせませんよ。私の子ですから」

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