その時ひゅーっと鋭い横笛の音が入ります。
「まあそうおっしゃらずに」
「そういうお前は?」
「柏木です。その節はほんとにお世話になりました」
「ふん」

「私が蹴鞠の宴の時から女三宮様を見染めていたことは
夕霧から聞いたでしょうに」