「父上ーっ!父上ーっ!」
「ああ、よく通る声じゃ。何が父上じゃ。父上は柏木じゃ、
馬鹿者。生まれたばかりの時にわしにそっくりだとぬかした
乳母がおったが、生まれたばかりでどこが似とるじゃ、
大ばか者!わしは抱く気もせなんだ、くそっ」