薫様はその石を受け取りしゃれこうべを粉々に砕きました。
「父上は最後に何か言われましたか?兄上」
「ふむ、南無法華経、南無法華経じゃと申された」
「南無法華経、南無法華経、と?」

夕霧様は大きくうなずいておられます。